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澤が110日ぶり復帰も…なでしこはアメリカに4失点完敗

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[6.18 スウェーデン招待 日本女子代表1-4アメリカ女子代表]

 スウェーデン遠征中の日本女子代表(なでしこジャパン)は18日、アメリカ女子代表と対戦した。日本、アメリカ、スウェーデンの3チームが参加するスウェーデン招待。めまい症で戦線を離脱していたMF澤穂希が2月29日のアルガルベ杯・ノルウェー戦(2-1)以来となる代表復帰を果たしたなでしこジャパンだが、前半3分、10分と連続失点。前半26分にFW永里優季のゴールで1点を返したが、後半16分にミスから3失点目を許すと、後半ロスタイムにも失点し、1-4で敗れた。アメリカは16日のスウェーデン戦(3-1)に続いて2連勝を飾り、優勝が決定。なでしこジャパンは20日にスウェーデン女子代表と対戦する。

 澤が110日ぶりに代表戦出場を果たしたなでしこジャパンは4-4-2のシステムで、GK海堀あゆみ、4バックは右から近賀ゆかり矢野喬子宇津木瑠美鮫島彩と並んだ。中盤は澤と阪口夢穂のダブルボランチで、右に大野忍、左に宮間あや。2トップは川澄奈穂美と永里が組んだ。

 昨年の女子W杯決勝で死闘を演じたアメリカと今年3度目の対戦。3月5日のアルガルベ杯では1-0で競り勝ち、90分間で初勝利を飾り、4月1日のキリンチャレンジ杯では1-1で引き分けた。今年に限れば負けていないFIFAランキング1位のアメリカだが、この日は序盤から苦しい展開を強いられた。

 シンプルにロングボールを放り込み、パワーで日本を押し込むアメリカは高い位置から積極的にプレッシャーをかけ、日本のミスを誘う。前半3分にはロングボールをFWワンバックが頭で左サイドに落とし、ドリブルで持ち上がったMFヒールのスルーパスにFWモーガンが反応。豪快に左足を振り抜き、いきなり先制点を奪った。さらに前半10分、MFラピノーの左クロスにFWワンバックがニアサイドへ飛び込むと、矢野の前に体を入れて左足でボールを捉え、ゴールへ流し込んだ。

 守備の安定を欠くなでしこは攻撃に移っても、なかなかいい形をつくれない。何とかセットプレーで好機をうかがい、前半26分には宮間の左CKを弾かれたセカンドボールを大野が拾ってもう一度左サイドへ展開。宮間がダイレクトでゴール前に折り返すと、ピンポイントクロスにニアへ走り込んだ永里がダイビングヘッドで合わせ、1点を返した。

 しかし、その後もプレーが落ち着かない。前半30分には右サイドから自陣方向に戻したスローインをモーガンに奪われ、決定的なピンチを招く。そのままPA内に進入したモーガンのシュートはGK海堀の手を弾いてポストを直撃。跳ね返りに詰めたワンバックのシュートもGKの正面を突き、何とか3失点目を免れたが、リズムをつかめないまま前半の45分間を終えた。

 1-2で折り返した後半、日本は選手交代はなかったが、選手の配置を変更。大野が2トップの一角にポジションを上げ、川澄が左サイドに下がり、宮間が右サイドへ。徐々に日本らしいパス回しも見られるようになり、後半7分には宮間のスルーパスからオーバーラップした近賀の折り返しに大野が合わせる決定機をつくった。

 日本は後半12分に2人を交代。澤と大野を下げ、DF熊谷紗希、FW安藤梢を投入した。宇津木が澤の抜けたボランチにポジションを上げ、熊谷はCBに入り、安藤はそのまま前線で永里と2トップを組んだ。

 ところが後半16分、日本は自陣での不用意な横パスをモーガンに奪われ、そのままスピードで矢野が振り切られる。PA内に切れ込んだモーガンは右足でゴール左隅に流し込み、自身2点目。アメリカが3-1と再びリードを広げた。

 日本は後半25分、阪口が思い切りよく左足ミドルを狙うが、クロスバーを直撃。同26分には川澄に代わってFW丸山桂里奈がピッチに入る。右膝前十字靭帯損傷の重傷を負った昨年9月11日の五輪アジア最終予選・中国戦(1-0)以来、281日ぶりの代表戦出場となった丸山。何とか流れを変えたかったが、その後もアメリカに押し込まれる時間が続いた。

 後半34分には宇津木に代えてFW高瀬愛実、同37分には矢野に代えてDF田中明日菜を投入したなでしこジャパン。しかし、最後まで反撃の糸口をつかめず、逆に後半ロスタイムにはワンバックにダメ押しの4点目を許した。試合は1-4で終了。今夏のロンドン五輪で金メダルを争うライバルに終始、主導権を握られ、4失点の完敗を喫した。


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