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[Y☆voice67]日本高校選抜MF小島秀仁(前橋育英)「あきらめずに耐えられたことが次につながった」

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 高校年代の注目選手にその時どきの課題や目標について聞く連載企画「Youth star voice」。第67回目となる今回からは、全国高校選手権優秀選手によって結成された日本高校選抜チーム21人を連載します。

 その高校選抜第1回はチームの主将を務めるMF小島秀仁選手(前橋育英)。09年U-17W杯に日本代表として世界と戦った世代屈指のパサーは、今春から強豪・浦和レッズでの新生活をスタートしています。09年全国高校総体で日本一も経験した小島選手は高校3年間をどのように感じているのか、これからについてどのような目標を立てているのか?(取材日:3月5日)

―高校3年間を振り返って
「本当に(前橋)育英に来て良かったというか、後悔はないですね。選手権で負けたことだけがちょっと悔しさが残っていますけど、そこ以外は本当に充実した3年間だったと思うし、プロになれたのも育英に来たからだと思うんで、素晴らしい3年間だったと思います」

―プロ入りを勝ち取ったり、周囲のみんなと差をつけることができたのはどの部分?
「ちょっとした差だったと思うんですけど、一回(年代別日本)代表に呼んでもらって、そこで良いプレーして代表に残れたんで、それが自分の世界を変えたんじゃないかと思います。世界大会にも出られて、世界でまた良い経験ができて、自分の意識も変わっていった。1年、2年の最初の頃に代表へ呼ばれた時に『できた』というのが自分を変えたんだと思います」

―チャンスを得るまでは辛抱の時期もあったと思うけれど
「高校に入って、最初はインターハイや選手権はベンチには入っていたけれど、試合に出られなかった。本当にストレスというか、出れなくて悔しい気持ちがあったんですけど、そこであきらめずに耐えられたのが次につながった。そこで頑張れたから上にも上がれたり、チャンスが来たのかなと思います」

―チャンスをつかむまでやったことはどういう部分?
「ひたむきに練習したり、先輩の練習や試合を見て、いいところは本当に学んで。ボランチの2人が本当に良い選手だったので、いいところはどんどん見て学んでということはやってきました」

―インターハイでは日本一も経験しましたが、そこに立つことの難しさも知っていると思います
「やっぱり技術の差はあると思うんですけど、それ以上に最後の一歩の速さだったり、気持ちの面が高校サッカーは勝敗を分けると思う。最後まで粘り強く戦うということと、あきらめないで戦うということがとても大事だと思います」

―高校で厳しさを知ってプロ入りしましたが、現状は
「本当に最初は全然レベルが高くて、緊張して。スピード感も全然違うし、自分のプレーができなかった。プレッシャーが速くて、まだ自分を出させてもらってないです。ただそういうチームに入れたというのは自分のためにもなるし、ここでできたら『もっと上の世界へ行けるんだ』というのは実感しているんで、本当に良い経験ができていると思います」

―その環境の中で1年目から試合に出ることを掲げています
「試合に出るためには全部の技術、守備面だったり身体の強さだったり、全面でレベルを1、2段階上げないとやっていけないなと感じています。やっぱりスピード感というのはいろいろなスピードがあると思うんですけど、球離れだったり、寄せのスピードだったり、そういうスピード感にも慣れないといけない。やるべきことはまだまだあると思います」

―小島選手のオリジナルな部分を生かすことも大事だと思うが、一番見て欲しいところは?
「他の選手を生かすパス。パス面は見て欲しいというか、自分の好きなところなので見て欲しいなと思います」

―高校選抜のキャプテンを努めますが?
「優秀選手に選ばれた素晴らしい選手たちの中でキャプテンをできるというのは自分にとって素晴らしいこと。良い経験が出来ていると思うし、なったからには自覚を持ってプレーしないといけない。高校代表として海外行って優勝を常に目指して行ければいいなと思います」

(取材・文 吉田太郎)
連載:
「Youth star voice」

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