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[C☆voice57]早稲田大FW富山貴光「20得点が目標。強いチームはFWの選手が点を取って勝っている」

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 大学サッカー界の注目選手にその時どきの課題や目標について聞く連載企画「College star voice」。第57回は早稲田大FW富山貴光選手(4年=矢板中央高)です。

 U-21日本代表として出場した10年アジア大会で金メダルを獲得。全日本大学選抜としても活躍してきた注目ストライカーも昨年は不振で悔しい思いをしてきた。最終学年となり自身に高いノルマを科しているFWの決意とは?(取材日:4月14日)

―連勝スタート。順大戦(3-0)は失点もなく開幕戦の課題を克服していた
「きょうの試合はいい時間帯に3点目を取ることができた。ただ3点目を取るまでの時間帯というのが、相手のペースになってしまった時間があったので、まだまだその辺が課題かなと思う。自分たちFW陣がもっと裏へのアクションを起こして、相手の嫌がることをやっていかないと厳しいのかなと思いました」

―今年の早稲田大は裏への狙いが徹底している。それは富山選手が入っても変わらない
「チームのコンセプトとしてまず相手の嫌なこと、速い攻撃を意識している。第一にどこを狙うのか、サッカーの本質のところからやろうということなので、それは誰が入っても変わりません」

―手ごたえは
「自分がやっても凄いやりやすいですし、凄いいい形というものが出てくると思う。チームのコンセプト通りやっていかないと厳しくなる。自分たちは上手い訳ではないので、そういう動きを何本も何本も繰り返していかないと勝てないと思う」

―去年は前期首位で後期落ちてしまった。チーム全体が感じている部分がある
「去年は前期首位で折り返したんですけど、後期はボールを持たされた時に深さ、速さが出せなかったのがある。今年はそういう面にも取り組んでいる。状況的に多くないのでどうなるか分からないですけど、チームではいろいろと対策をやってきている。それがしっかりできれば上位進出、優勝にも近づけるんじゃないかと思っている。去年出た課題を今年絶対に克服したいと思っている」

―富山選手自身ラストイヤーでもあるし、目標は優勝
「得点という部分が多分キーになってくると思う。去年凄い不甲斐ないシーズンで、自分が点取らなければ、チームの勝利が遠くなってしまうと感じた。凄い悔しい思いもしましたし、去年の4年生に凄い申し訳ない気持ちだった。今年はその4年生の気持ちも背負ってやっていかないといけない。自分が示して後輩も『自分がやってやろう』と思ってもらえるように自分がもっともっと示していければと思います」

―昨年は本当に悔しい1年だった
「最初の方は良かったんですけど後期は凄い不甲斐ない試合ばっかりだった。ゴールという結果もそうですけれど、チームがなかなか波に乗れなかったことがある。自分が期待されていた部分があったので、それに得点で応えられない不甲斐ないシーズンだった」

―この春取り組んできたことは
「チームでは自分に限界をつくらないというテーマでやっていた。監督から与えられたポイントを自分なりに真摯に受け止めてトレーニングしてきたので、これというものはないんですけど、一個一個のシュートだったり一個一個のパスだったりとか、ミスしたら1点取られたり、1点逃したりという1点の重みを凄く意識してやってきた。それが今いい感じで出ているのかなと思います」

―自分の中で設定しているノルマは
「今年は高い位置に目標を置いて、20得点というのが自分の目標。そうしなければ優勝は程遠いと思う。強いチームはFWの選手が点を取って勝っている。去年、得点王取った明治のトヨ(阪野豊史)とか凄い意識しているし、専修だったりも前の選手があれだけ得点しているから上位に立っている。自分がやっていかないと優勝は程遠いと感じているので、それは意識してやっています。結果で示していかないといけない。今年は結果を残していかないシーズンだと思っている。自分たちの代もそうですけれど、その下の代からも結果を求められていると思うので、今年しっかりタイトル取れるようにやっていかないといけないと思います」

―富山選手自身のどん欲さが今までと全然違う
「まずゴール。パスじゃなくまずゴールを見ることを意識してやっていかないといけないと思っている。きょうもいける部分がまだまだ全然あった。1点で満足してしまったところ、まだまだ甘いところがあるので1点、2点、3点としっかり取れるように練習していかなければいけないなと思っています」

―課題として感じている部分は
「自分が収めるところをしっかりと収めないと、苦しくなったときに押し込まれてしまう。まずそこでしっかり収めてボランチや中盤の選手に預けてそこからまた動き出して、ということをやっていかないとゴールにも近づいていけないと思っている。だからまずそこをしっかりとやってから、ゴールというのが課題となってくると思うので、まず収めるというところをしっかりとやっていかないといけない。そして(最後は)泥臭くてもなんでもいいのでチームが勝てるようにやっている」

―ゴールまでのアプローチで自信を持っているのは
「自分は前向いてボールをもらったときは、いろいろなイメージというか、こうしたらいいんじゃないかというシュートのイメージ、形がいろいろ浮かんでくるので、前向いているときはいいのかなと思っています。いかに前を向けるか。落とすだけでなくて前を向いて相手の嫌がることができるかがキーポイントになってくると思う。そこをやっていけば、周りが空いて来ると思うので、そこを意識してやっていきたいと思います」

(取材・文 吉田太郎)

連載:「College star voice」

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