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[C☆voice89]慶應義塾大MF松下純土「日本一のために主将として、死ぬ気で1年間戦っていきたい」

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 大学サッカー界の注目選手にその時どきの課題や目標について聞く連載企画「College star voice」。第89回は慶應義塾大MF松下純土選手(4年=國學院久我山高)です。

 名門・慶大の主将は才能あるボランチであると同時に、全日本大学選抜のCBも務める注目プレーヤー。司令塔として、また守備のキーマンとしても実力を発揮する好選手の今年の目標とは?(取材日:4月13日)

―早慶戦(4月13日)は1-2で敗戦。特別なゲームだったが
「この1週間、早慶戦ということでずっと選手に伝えてきたのは22試合中の1試合ということで、早慶戦ということで凄く気合の入る試合ではありますけれど、気負って自分の実力が出せないということはもったいない。ただきょうは失点の場面とか立ち上がり、浮き足立ってしまったというのが正直あります」

―背後を徹底して狙っていた
「向こうのバックラインの身長が低くウチのFWは高かったので、そこのギャップを突こうというのは言っていて、自分たちのサッカーは出せてはいました。前線にロングボールを入れてこぼれ球を拾うことはできていました。ただ、立ち上がりの失点は大きくて、堅い試合運びができなかった要因。それでも、立ち上がりの失点は最悪なことなんですけど、いつもの慶應だったら立ち上がりの失点からボンボンとブチ込まれて、そこからエンジンかかって結果遅いという試合運びがあるんですけど、逆に前半良く1点に抑えられたなというのがあります」

―最後競り負けてしまった
「そこはボクらの実力不足ということは言いたくないんですけど、もっと強化する必要はあるのかなと思います。技術面ももちろんそうですし、メンタルの部分も」

―2点目は相手のCBが上がってきていた
「ボクが向こうのCBに(プレッシャーを)かけましたよね。あそこの場面だけ向こうが押し上げてきた。それに対応できなかった」

―2連敗。スタートとしては良くないが
「2連敗してしまいましたけれど、ボクらはそこで落ち込む必要もないと思いますし、22試合中のまだ2試合しか終わっていないということでここで悪い流れを断ち切って、次、リーグチャンピオンの専修大学ですけど、一週間しっかり準備して連敗を止めたい」

―今年は主将を務める
「今までボクが見てきた主将は凄く真面目な方たちで、逆にそことボクとを比べた時にちょっと、見てきた主将と違うイメージをボクも持っているし、周りも持っていると思う、そこを活かしてネガティブにネガティブに行かないで、ボクは常に前を向いてポジティブに盛り上げるという役に徹している。今、2連敗していますけれど、終わった後も『下だけは向くな』と。前向いてやって行こうという話はしている。去年も負けがこんだ時にみんなが落ち込んで下を向くことによって、次も次も悪い結果になっていった。そこは反面教師ではないですけど、下を向く必要はないなと感じていますし、この一週間でどれだけチームを盛り上げていけるかだと思いますので、そこはやっていきたいと思います」

―松下選手自身も注目される一年
「個人的には、まずは第一にチームの日本一という目標を掲げた中で、そこに貢献していきたいというのが大きい。そしてチームで活躍することで、この夏にユニバーシアードもありますし、選ばれて日本代表として世界一に貢献したいという気持ちもあります。さらに言うと、来年からJに行くという目標を掲げた中で、ただJに行くだけではなくて、来年1年目から活躍するということを意識してこの関東リーグであるとか、日々の練習から意識して取り組んでいけたらと思います」

―課題と強みは
「ボランチであったら、サイドへ散らして、そのまま自分もボックストゥボックスでプレーするところ。守備の時は自陣のペナまで戻って、攻撃の時は一旦サイドへ散らしてからボクがゴール前に入っていく運動量だったり、散らすところ、そしてクッションをつくるところです。課題は監督やスカウトの人にも言われるんですけど、ボランチのところでペナ付近で相手に楔が入った時に挟みに行ったり、そこでセンターバックと上手くコミュニケーションを取りながら、センターバック2枚とボランチ2枚で上手く締めて真ん中を割らせないであったり、ディフェンスではもっと泥臭くやっていかなければいけないと思っています」

―華麗に舞うようなイメージがあるが
「攻撃ではそういうところを見せつつも、守備ではもっと泥臭くやっていかないと上では通用しない」

―きょうのパフォーマンスについては
「個人的にも全然物足りなかったです。もっとアグレッシブに攻撃、守備のところでももっと存在感を出さないと上には行けないと感じています」

―まずはトップクラブに入ることを目指す
「まずはJ1に入って活躍して、ゆくゆくは海外でプレーするというビジョンを掲げて頑張っています」

―ボランチとCB、高いレベルでこなすことができる
「高さはある方なんですけど、決して身体は強い方ではないですし、それだとJの外国人のFWと対峙した時に身体で勝てない。その分、予測だったり勝るところはあると思うんですけど、運動量とかボックストゥボックスでの攻撃参加を強みにやっているので、自分の特長を出すのはボランチかなと思っています」

―全日本大学選抜のドイツ遠征ではCBとして経験を積んだ
「世界でボクはあまり経験がなかった。ただユニバーシアードでは身体の大きな選手や高い選手とやらなければいけない。ボクよりも全然身長が高い相手とやる中で、身体で勝てない分、予測をいつもよりも速くして先にボールに触るといった感覚はドイツでつかめたと思う。ユニバーシアードで他の国の人たちとサッカーをしていく前にいい経験ができたと思います」

―慶應の主将として戦う意気込みを
「死ぬ気でやりたいと思います。チームの日本一のために主将として、死ぬ気で1年間戦っていきたいというのと、自分の目標であるJに入って1年目から活躍するということを視野に入れつつ、試合だけでなく日々の練習から100パーセントでやっていきたいと思います」

(取材・文 吉田太郎)
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連載:「College star voice」

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