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[大学MOM_8]流通経済大DF石川大徳(4年)_初舞台で爆発中のJ候補生

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[大学マン・オブ・ザ・マッチ]

[4.30 関東大学サッカー1部第4節 流通経済大 3-1 早稲田大 埼玉スタジアム第3G]

 首位決戦を制した流通経済大のヒーローは、背番号2の右サイドバックだった。DF石川大徳(4年=流通経済大柏高)は前半から右サイドで攻守にフル回転。「トップスピードで動けばまず相手はついて来れない」と自信を持つスピードで相手を“ちぎる”と同サイドのMF金久保順(4年=水戸短大附高)とのコンビも良好で、「右」はここまで無失点の相手DF陣のバランスを崩す流経大の突破口となった。
 1-0の前半28分には、金久保のドリブルシュートがゴールポストを叩いた跳ね返りを右足で押し込み、関東大学リーグ初ゴール。「いいところに転がってきた」とラッキーなゴールを強調したが、それでも金久保にパスを出した後も右サイドを駆け上がり、ゴール前まで詰めていたからこそ生まれたゴールだった。「首位決戦だったし、ここで負けたらダメ」と意気込んでいた男は運動量、そしてゴールという大仕事でチームを首位へと押し上げた。

 昨年は水戸ホーリーホックの特別指定選手としてJ2公式戦出場も経験。ただ、関東大学リーグでのプレーは今シーズンが初めてだった。1年生時からJFLチームの一員としてプレーしたが、200人近い部員の競争を勝ち抜くことは難しかった。それでも、ファーストチームでプレーしていた訳ではない“控え選手”ながらJクラブが特別指定選手として登録しただけあって、スピード、突破力などそのポテンシャルは高い。中野雄二監督はこの日の石川について「(前半に比べ内容が悪かった)後半も変わらないパフォーマンスをしていたのは石川くらい。積極的にインターセプトもしてくれた」と最も高い評価を与えていた。
 昨年度の4年生は同ポジションのDF保崎淳(現水戸)らレギュラーの4バック全員がプロ入りしている。それだけに石川も「プロに行きたい。サッカーをやっているからには上を目指す」ときっぱり。そのためにも毎試合高いパフォーマンスを見せていくつもりだ。
 昨年叶えられなかった大学3冠を狙うチームの右SBは、リミットぎりぎりまで使い果たす献身的な動きとスピードによって、今後も初の関東大学リーグで大暴れする。

(取材・文 吉田太郎)

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