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[大学MOM_17]中央大FW鈴木寛一(4年)_2戦連続2発

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[大学マン・オブ・ザ・マッチ]

[5.9 関東大学サッカー1部第6節 中央大 4-1 専修大 西が丘]

 前節に今季初先発したばかりの4年生FWの勢いが止まらない。FW鈴木寛一(4年=浦和東高)が2試合連続の2発。開幕4試合でわずか2得点に終わっていた中大の“救世主”的な活躍で自身も得点ランキング2位タイへ浮上した。指揮官・佐藤健監督が所用のために不在だったこの日、MF村田翔主将(4年=F東京U-18)は「(マン・オブ・ザ・マッチは鈴木)寛一ですね。ゴール前で厳しいところを突いてくれた」と168cmの小柄なストライカーを推していた。

 この日の1点目は両チーム無得点の前半10分。「自分らしく決められた。ゴール前で自分で前を向いて、その時にはもうゴールしか見ていなかった。抑えの利いたシュートが打てた」と左足で先制弾を決めると、2-1で迎えた後半11分にはDF田港周平(3年=桐光学園高)の滞空時間の長い絶妙な右クロスに反応。「決めてください、というようないいパス。(田港に)感謝してます」と冷静に頭で押し込んだ。

 開幕から4試合は後輩FWたちに先発を譲り、ベンチスタート。だが前節の前にFW新田圭(3年=桐光学園高)が負傷離脱したことで先発の座が巡ってきた。昨季までレギュラーを務めていた鈴木はそのチャンスを逃さなかった。前線で激しく動き回り、味方にスペースを作り出す。それだけではなくFWの役割として期待通りにゴールを連発している。今季4得点は明治大FW久保裕一(3年=名古屋U18)に次いで得点ランキング2位タイだ。「ボクはチームの汗かき役。自分が動いて林(容平)とか六平(光成)、柴橋(浩太)が決めてくれれば自分の動きは無駄じゃないと思う。自分のプレーを続けていきたい」とあくまでチームが第一。ただストライカーとして「原動力ではないけど、自分が中大のひとつのポイントになれれば。(得点王争いは)意識していきたい。注目されているところでまた点を決めて目立てば、チームも優勝争いに絡んでいける」と自らに期待していた。

 大学4年生の今年はサッカー人生の集大成。自分が頑張ることも当然だが、チームに伝えないといけないことがある。昨年の4年生はサッカーだけではなく日常生活から変えて、チームをひとつの方向へ向かせた。その結果が16年ぶりの日本一獲得。その先輩4年生たちを見てきた。次は自分たちの番。大学最終年だからこそ、よりひたむきにチームの先頭に立って取り組んでいくつもりだ。「今年は自分たちがいいところを下に受け継がないといけない。その気持ちが4年生の中には強い。ボク自身、社会人としても成長していきたい」。自身のため、そしてチームのため。チャンスを逃さずチームを救った4年生FWは前を向いて全力で走り続ける。

<写真>2戦連続2発の中大・鈴木(左)
(取材・文 吉田太郎)

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