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最後まで柏を苦しめた全北監督がエール「もっと上に行ってほしい」

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[5.22 ACL決勝T1回戦第2戦 柏3-2全北現代 柏]

 韓国のチームらしい闘志溢れるプレーを見せた全北現代(韓国)。ホームでの第1戦を0-2で落としたため、ベスト8進出には最低でも2点が必要で、序盤から積極的に攻めに出た。守備のときは基本の4-5-1を敷いたが、攻撃のときはダブルボランチの1枚が最終ラインに下がって3バックとなり、両サイドバックは高い位置をとった。クロスボールには3人、4人の選手がPA内に飛び込み、柏ゴールに迫った。

 中盤では激しいプレッシングをかけて、柏の選手がトラップしたところを狙ってボールを奪い攻勢をかけた。前半の10分過ぎからは2点、3点入ってもおかしくないほどの決定機を作り出すが、柏のオウンゴールによる1点にとどまった。この時間で追加点を奪って試合を振り出しに戻せなかったことが、全北の敗退につながった。

 先制を許した柏は、ワントップからツートップへと変更。この変更が柏にとって吉と出る。「レアンドロ(・ドミンゲス)が外れると試合前に知っていた。代わりに誰が入るかは知らなかったが、前半は4-5-1と予想していた。後半は4-4-2も使うと予想していたので、(柏の)フォーメーションは大きな問題ではなかった」。全北のファビオ・レフンディス監督は試合後の会見で記者との質疑応答に答えていたが、試合の流れを変えたのは間違いない。

 1失点でしのいでいた柏に息を吹き返されると、DF渡部博文、MFジョルジ・ワグネル、FW工藤壮人に得点を許し、後半24分でスコアは1-3に。ラスト20分強の時点で、全北が準々決勝に駒を進めるにはあと4点必要だった。

 そんな敗色濃厚の中でも、全北は最後まで攻め続けた。「諦めたら負け」というファビオ監督のスピリットによるものか、はたまた韓国サッカーのスピリットによるものか。試合終了間際の後半41分には途中出場のDFケビンが1点を奪取。

「代表チームではなくクラブチームだけど、負けているときの韓国」と原博実技術委員長が試合後に語ったように、“アジアの虎”は最後まで牙を剥き、ゴールに向かう姿勢を敵地で見せた。

「もっと上に行ってほしい」。全北のファビオ監督は、好ゲームを演じた柏にエールを送っていた。

(取材・文 奥山典幸)
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