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[MOM218]早稲田大MF白井豪(4年)_3戦連続先制弾!“都立の星”から“ワセダの星”へ

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[12.24 大学選手権準決勝 早稲田大 5-0 鹿屋体育大 味フィ西]

 思いの強さがもたらした3戦連続先制弾だった。早稲田大のMF白井豪(4年=三鷹高)は前半32分、カウンターから右足で先制ゴールを流し込む。左サイドを駆け上がったFW榎本大希から右中間の背番号26へ送られたパスはやや強かったが、白井は「パスは多少強かったですけど、(榎本)大希はいつも自分を見てくれていて自分が前を向いた時にはもう相手と1対1だったので、仕掛けてシュートをイメージ通りに打つことが出来ました」と冷静なコントロールから仕掛けて右足一閃。ゴールを確認すると、バックスタンド側のタッチライン際まで走り、大きくジャンプしながら右手を突き上げて喜びを表現していた。

 今大会は初戦から3試合連続の4ゴール。出足の良い守備で相手ボールに絡むなど守備面での貢献度も大きいが、やはり大舞台で連発しているゴール数が輝く。それも今季リーグ戦出場わずか2試合(いずれも交代出場)のMFが叩き出しているのだからなおさらだ。

 昨年、早大でレギュラーを獲得していた白井だが、今季の関東大学1部リーグ開幕前の2月に左膝の前十字靭帯を断裂。3月に手術した際には、リーグ戦復帰は絶望的と診断された。水汲みなどサポート役に回り、裏側からチームを支えながら復帰を目指す長いリハビリの日々。「トレーナーや周囲のお蔭」で予定よりも早く復帰し、リーグ戦残り2節の専修大戦で今季初出場を果たしたが、チームは首位攻防戦を2-3で落とし、優勝を逃してしまう。そこから1か月間、インカレでチームに貢献することだけを考えてトレーニングに取り組んできた。「インカレで絶対に借りを返すというつもりでやってきた。インカレに進めたのもみんなのお蔭ですし、その分、自分がやってやろうという気持ちでやっていました」。

 その思いをゴールで表現している白井については古賀聡監督も「大怪我をして8か月、9か月棒に振っていてその間も思いを膨らませながら、チームのためにリハビリしながら、チームのみんなのためにいろいろな仕事をしてくれていた。そういった悔しい思いを今、爆発させてくれている」と目を細める。「チームに何とか貢献したいという強い気持ちが得点に表れて嬉しいです」と微笑んだ。

 5年前、全国高校選手権で旋風を巻き起こした都立校、三鷹高の10番エースとして大活躍。その後、「早稲田に入ってサッカーをしたいという気持ち」で1年間全くボールを触らずに勉強して一浪で名門の門をくぐった。早稲田のために、という気持ちは誰にも負けない。「最初から自分たちは日本一しか目指していないですし、決勝には進みましたけれど決勝で負けたら意味が無い。1位を獲るためだけにやってきたので決勝に進んだからといって奢らずに、目標を見失わずに、ブレずに日本一を目指していきたいと思います」。“都立の星”から“ワセダの星”へ成長して冬に輝きを放っている4年生が名門を日本一へ導く。

(取材・文 吉田太郎)

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