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[MOM219]早稲田大DF山地翔(4年)_福岡大を封じた大会ベストDFの“最後”にかけた思い

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[1.6 大学選手権決勝 早稲田大3-1福岡大 国立]

 先発メンバーの平均身長差は3.4cm。高さで苦戦を強いられると予想された中で奮闘を見せたのは早稲田大では先発フィールドプレーヤー最長身となる181cmのDF山地翔(4年=浦和ユース)だった。

 180cmオーバーのフィールドプレーヤーを5人揃えた福岡大。かなりの迫力ももって攻撃を仕掛けてきたが、「自分の武器も高さ」と気持ちで負けない姿勢を90分間貫き通した。「競ったあとのセカンドボールをしっかり拾おうという意識がチーム全体で統一されていたことが、相手の高さにやられなかった要因だと思います」。山地は組織力で勝ったチームを誇る。

 主将畑尾の欠場によりチームとしても強い団結力を発揮した早稲田大だが、個人としても特別な感情を抱いていた。畑尾は本来、レギュラーとして活躍するCB。「リーグ戦でもあいつに頼っていた場面が多かった。その分、代わりに出る自分が何とかしなくてはという思いは常にあった」。“代役”と呼ばれることには悔しい思いもあったが、無我夢中で大会に臨んだ。結果はベストDF賞獲得という最高の答えを出してみせた。

 そんな山地だが、今後はひと区切りつけるのだという。理由についても、「実力面でも早い段階からプロで生き残るには難しいと思っていました。(大学4年間は)辛かった時期もありましたが、きょう勝てたことで全部出し切れた。もう悔いは残ってないです」と清々しい表情で明かす。そんな“最後”にかけた並々ならぬ思いが、名門に新たな歴史を刻んだ。

(取材・文 児玉幸洋)

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