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[MOM250]阪南大FW工藤光輝(4年)_札幌入りのFWが1G1A

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[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[9.11 関西学生リーグ1部第10節 阪南大3-1桃山学院大 J-GREEN堺]

 リーグ戦が再開され、連覇を狙うためには1戦1戦負けられない2位・阪南大。後半戦の第1戦はチームの中心である4年生がしっかり結果を出し、3-1で桃山学院大を下した。その中で、1ゴール1アシストとゴールに絡む活躍を見せたのがコンサドーレ札幌内定のFW工藤光輝(4年=札幌U-18)だ。

 昨年、夏の総理大臣杯、冬の全日本大学選手権と全国の舞台で相次いで“得点王”となる活躍を見せた。ただ、リーグ戦での出場は4試合のみ。「昨年はチャンスがなかった。その悔しい分を今年は」。その悔しさを抱えて迎えた大学最後の1年。3月に関西選抜の一員として出場したデンソーチャレンジカップでここでも最多得点をあげ、大会最優秀選手に輝く好スタートを切った。リーグ戦でもフル出場し、ここまで8得点。中断前の一戦で首位の座を大阪体育大に明け渡したが、上位を走るチームの大きな原動力となっている。6月には育成組織でプレーしていた札幌に加入することが決定し、目標としていたプロ入りを掴んだ工藤は、特別指定選手としてJリーグでのデビューも果たした。夏場、1か月間札幌の練習に参加し「プロはプレッシャーが厳しかった。普段からもっと速いテンポでやらないと」と札幌の練習や試合で得た経験を大学でも活かそうとしている。

 1ゴール1アシストのこの日の試合では「二見みたいに特長ある選手があがってきたときに、自分の役割はゴールに繋がるパスを出すこと」とまずはDF二見宏志(4年=奈良育英高)とのワンツーで2点目をアシスト。直後には「パスにちゃんと合わせることが出来た」と振り返ったように、DF田渕大貴(1年=大阪桐蔭高)のパスを落ち着いて決めて自らもゴール。須佐徹太郎監督が「よくボールを引っ張り出してくれた」と評価したように、前線でのポストプレーなど、再三の決定機に多く絡んだ。FWとして得点をあげるのは勿論だが、工藤が掲げる課題としては「得点にこだわりすぎず、チームの流れが悪い時などにチームを円滑に回すこと」。また「何を選択するかっていうところもプレーの幅を拡げる上で大事。判断やプレーの精度をあげていきたい」と話す。

 今年は総理大臣杯出場を逃しているだけに、残る全国でのタイトルは全日本大学選手権のみ。「インカレに出る事はベースで、どこまでいけるかが大切」と話すように、優勝への思いは強い。「プロに内定している組が中心に、しっかりやらないと。リーグ戦は長期だし、大変だと思うので。4年生はみんな自覚を持っているし、(夏の間は)チームはバラバラだったけど感じているものはあると思う」と最上級生としての意識は工藤のみならず、各々が強く持っている。大学生活の集大成としてリーグ連覇、インカレ優勝の2冠へ。まだまだ続く戦いの中で、チームを引っ張る。

(取材・文 北野裕子)
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