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終盤にゴールラッシュを見せた千葉が福島に大勝し、8強進出

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[12.15 天皇杯4回戦 千葉 5-0 福島ユナイテッド フクアリ]

 天皇杯は15日に4回戦を各地で行い、ジェフユナイテッド千葉(J2)は福島ユナイテッド(福島)と対戦した。前半14分に千葉はCKを得ると、MF谷澤達也がゴール前に入れたボールがDFに当たり、そのままゴールへ。オウンゴールで先制した千葉は、25分にも谷澤のミドルシュートが決まり、2点をリードして前半を折り返す。後半も運動量の落ちた相手からチャンスをつくった千葉は、終盤にFW藤田祥史、FW戸島章、MF兵藤昭弘が次々とゴールを決め、5-0で勝利。大勝した千葉は、2003年以来となるベスト8に駒を進めた。

 千葉は11月23日のJ1昇格プレーオフ決勝の大分戦(0-1)から、負傷中のMF佐藤勇人ら、4選手を入れ替えた。最終ラインにはDF大岩一貴、DF井出遥也が入り、佐藤勇の代わりにMF伊藤大介が起用されている。またベンチに入ったMF兵藤昭弘に代わりFW荒田智之が先発起用された。
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 惜しくもJ1昇格を逃し、11月28日には木山隆行監督の契約満了を発表している千葉。モチベーションを保つのが難しい状況で迎えた試合の立ち上がりは、福島ユナイテッドに押される展開となる。前半3分にPA内でFW小林康剛にシュートを打たれると、同10分にもFW久野純弥がドリブルでボールを運ばれ、シュートに持ち込まれた。これはGK岡本昌弘が弾いたが、東北リーグに所属する福島を相手に劣勢を強いられた。

 それでも前半14分、CKを得ると谷澤がゴール前に入れたボールが、DFに当たってゴール。同25分にも谷澤のミドルシュートがGK内藤友康の脇を通り抜けて追加点を挙げ、千葉が2点をリードする展開となった。

 30分には福島にアクシデントが起こる。立ち上がりからアグレッシブに動き回っていたMF鴨志田誉が負傷し、交替を余儀なくされた。時崎悠監督は、実弟でもあるFW時崎塁をピッチに送り出し、2トップの一角に入れた。FWで先発していた久野を左SHに、左SHを務めていた益子義浩をボランチにスライドさせて対応する。急な布陣変更となった福島だが、36分には時崎がドリブル突破から倒されてFKを獲得するなど、試合の流れを取り戻す。前半終了間際にも左サイドから入ったクロスを長身MF伊藤卓也が折り返し、時崎がボレーでゴールを狙ったが、シュートをゴールマウスに飛ばすことはできなかった。前半を終え福島は、2点を追う形となっている。

 後半開始と同時にDF金基洙に代え、MF金功青を起用し、より攻撃的な選手を並べた福島は、チャンスをつくり出す。後半6分には金功青がFKからゴールを狙ったが、わずかにクロスバーを越えて行った。同9分には千葉も警告を受けたDF井出遥也を下げ、山口慶を左SBに入れる。

 前からボールを奪いに行く福島は、千葉のミスを誘発して高い位置でボールを奪う。しかし、後半15分に金功青がシュートを打てる場面でもボールを保持し過ぎるなど、攻撃に躊躇が見られ、チャンスを生かせなかった。

 流れを変えたい千葉は、荒田智之を下げてMF兵働昭弘をピッチに送り出す。同24分には福島も最後の交代カードを切り、小林を下げてFW新裕太朗を投入した。とどめを刺したい千葉は、後半31分にCKからのクロスをDF山口智がヘッドで合わせたが、GK内藤友康が弾き出した。しかし、前半から激しくプレスを掛け続けてきた福島の消耗は激しく、千葉にボールを支配される。後半32分にはPA内のFW藤田祥史にボールが入ると、反転してからの左足シュートを決められて3点差を付けられた。

 後半34分に千葉は谷澤を下げて、FW戸島章を起用する。その3分後には兵藤が左サイドから折り返したボールを戸島がゴール前で押し込み、4-0と点差を広げた。さらに兵藤も得点を決めた千葉が、坂本将貴の引退セレモニーに花を添える大勝で8強に勝ち進んだ。
(取材・文 河合拓)

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