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“楽しんだ”90分間、川崎Fが原点のサッカーでナビスコ敗退からの切り替えに成功

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[10.16 天皇杯3回戦 川崎F3-0東京V 等々力]

 12日のナビスコ杯準決勝第2戦で浦和に0-1で敗れ、ナビスコ杯制覇の夢が消えてから中3日。川崎フロンターレがリーグ戦、天皇杯でのタイトルを目指して再び走りだした。左SB登里享平は「(天皇杯までのトレーニングで)切り替えが凄く上手くいった。特に前半はいい時間帯に点が取れて、主導権を握り、高い位置で行けた。奪ってからすぐに攻撃に行く戦いができた」と振り返り、FW大久保嘉人も「天皇杯とJリーグがある」と語ったように、敗戦を引きずらずに新たな目標へ向けてスタートを切った川崎Fが立ち上がりから一気に東京Vへ襲いかかる。

 前半4分に右サイドを縦に突いたMF小林悠のラストパスをFW矢島卓郎が右足ダイレクトで合わせると、9分にはDF田中裕介が獲得したPKを大久保が右足で決めて2-0と突き放す。この日は司令塔のMF中村憲剛が不在だったが、2列目に入った大久保が抜群のボールコントロールで違いを生み出す。「さすがに技術が高く、チームの助けになってくれた」と風間八宏監督が賞賛していた大久保やMFレナトを起点とした攻撃から川崎Fは決定機を連発。前半だけでシュート9本を放ち、打倒・川崎Fに燃える相手に思うようなサッカーをさせなかった。そして後半にもレナトが加点して3-0で快勝。最高の形でリスタートを切ることに成功した。

 キーワードは「楽しむ」だった。風間体制2年目の今年、川崎Fはリーグトップタイの55ゴールを挙げる攻撃的なサッカーを展開しているが「勝つということが大事なんですけど、勝つことに責任を感じてやってしまった」(風間監督)部分があったという。ただ、敗戦を機に切り替えることに成功。風間監督も「きょうに限ってはとにかく、いつもどおり自分たちのサッカーは攻撃的でなおかつ楽しいものだということを選手たちが理解してよくやってくれたと思います。ああいう発想があって意外性が生まれると思いますので、この試合を続けていってほしいと控室でも言いました」と目を細めていた。“楽しんで”戦い、掴んだ白星。登里が「3点取ってゼロで抑えたことは次につながる」と語ったように、この快勝は6位からの大逆転を目指すリーグ戦、そして天皇杯へ向けて勢いをつける1勝となった。

(取材・文 吉田太郎)
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