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リオ世代の注目アタッカー、東京V・中島は敗退も「楽しかった」

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[10.16 天皇杯3回戦 川崎F3-0東京V 等々力]

 16年リオ・デ・ジャネイロ五輪世代期待の星、東京ヴェルディの19歳FW中島翔哉がJ1勢の川崎F相手に印象的なプレーを見せた。立ち上がりこそやや前線で孤立していた感があったが、「(立ち上がりの相手の動きを見て)J2の試合よりも少しスペースがあったので、ヌルいというか、守備が得意じゃないのかなと思いました」と振り返ったように、徐々に楔で縦パスを受けて前を向く回数を増やしていく。

 そして鋭いドリブルでチャンスメークすると、後半開始直後には右サイドを突いたMF森勇介の折り返しを右足ダイレクトでシュート。これはDFのスーパークリアによって阻まれたものの、4分にも右サイドを抜けだしてFW巻誠一郎へ決定的なラストパスを入れるなど攻撃を引っ張った。立ち上がりの連続失点で苦しい試合となったことは間違いない。ただ「ハタから見ると難しい試合だったかもしれないけれど、そういう時こそひとつの動きとかで局面が変わることもある」という19歳は流れを変えるようなプレーを何度も繰り返していた。

 本人にとって不満の無得点敗退。それでも「楽しかったです。海外に近いというか、強い相手とやるのは楽しいし、しっかりとした内容を目指しているチームとの試合だったので楽しかったです」という中島は、「常日頃言っているんですけど自分のイメージするプレーができるように、フィジカルを鍛えたいと言っているし、技術を上げたいと言っている。考える事は絶対にできるので、またあしたからやりたいです。手応えは毎試合感じている。上手くいっていなくてもその中でヒントを探すのが自分の仕事。仕事という堅苦しい言い方はしたくないですけど、ヒントを探していくのが特長なので、周りの人がどう思うか関係なく次のゲームを楽しみたい」。11年U-17W杯ベスト8を経験し、昨年は高校3年生ながらJ2でハットトリックを達成した。毎試合前進を続けているアタッカーは、この日の経験も成長するための糧にする。

(取材・文 吉田太郎)
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