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本田、長友に刺激…酒井高「ビッグクラブでプレーしたい」

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 2014年、W杯イヤーに突入し、W杯メンバー争いもいよいよ最終局面を迎える。SBのレギュラーを狙うDF酒井高徳(シュツットガルト)にとってもこの半年間は正念場となる。W杯にかける思いとは?世間の注目を集めるMF本田圭佑(ACミラン)、DF長友佑都(インテル)の活躍がさらに刺激を与えていた。

―いよいよW杯イヤー突入しました。コートジボワール、コロンビア、ギリシャと同組になりましたが率直な感想は?
「周りの反応よりも難しいグループだと感じています。死のグループと呼ばれるグループは他にもありますが、コートジボワールもすごく力のあるチームだし、ギリシャも負けたら終わりのプレーオフをしっかりかいくぐってきたチーム。みんなが思うほど楽ではないという感じです」

―コートジボワールにはシュツットガルトでチームメートのMFアトゥーロ・ザハ選手が在籍しています。
「彼はアフリカっぽいというか、荒いし、アグレッシブな選手。ただ年齢も結構いっているので、経験のあるプレーも随所に見せます。同じチームでSBでやってますけど、見習う部分もあります。出てきたら厄介な選手かなと思いますね。前回のW杯の直前にやった親善試合に出ていたようなのですが、その時の印象が強いようです。楽勝だよみたいなことを言われたので、『まあ見てれば』とは言いました。特にそれ以上対抗はしなかったですけどね。でもこの間ベルギーに勝ちましたけど、まだ日本のレベルはそこなのかなという感じです。みんなも言っているように、このW杯っていうのが日本の印象を覆せる大きなチャンスなのかなと思います」

―日本としてはどのような戦い方が求められると思われますか?
「日本の長所は攻撃陣。すごいテクニック、創造性、決定力を持つ選手もいると思います。攻撃に関しては世界と対等に戦える選手が揃っていると思います。ただ球際の部分でハードにこられるチームとやった時には苦労するのかなというのを感じています。アフリカの国々はそういう選手が集まっています。ボールを回して攻めてくるチームより、カウンターであったり、フィジカルを前面に出してくるチームのほうが日本は弱いのかなと」

「W杯のグループリーグで対戦する3チームは全部そういうタイプの印象はあります。それを踏まえた上でも簡単なグループじゃないなと思います。11月に戦ったオランダもベルギーもどちらかというとボールを繋ぎたいのかなというチームでした。そういったチームのほうが割と対等にやれるのかなと思いました。苦手な部分を克服することが日本躍進のカギになると思います」

―レギュラー争いも活性化したい。最大のライバル、長友佑都選手をどう見てますか?
「レギュラー争いには割って入りたい。今、自分が何が足りていないかも分かっているつもりです。でも佑都くんには佑都くんにしか出来ないプレーもありますけど、常に学びたいと思っていますし、佑都くんはお手本にしています。先生みたいな存在ですね」

―長友選手はビッグクラブで中心選手として結果も残しています。
「佑都くんを見てサッカーというのは1人の選手だけじゃダメなのかなと思いました。チームに溶け込んでいるかが関係してくると思います。佑都くんは言葉もそうですけど、性格なども認められてキャプテンマークを巻かせて貰うまでになりました。インテル入団から見ているので、凄いな、そこまで来ちゃったかって感じです。海外に行っても認められる選手というのは憧れます」

―本田圭佑選手もミランに加入したことで果然注目が集まっています。
「個人的には佑都くんが本田さんからボールを奪うところが見てみたいですね。やっぱりDFなのかな。オフェンスの選手よりディフェンスの選手を応援してしまう。これ見たら圭佑くん怒るかな(笑)。もちろん2人に頑張ってほしいですよ。ミラノダービーに2人が出ているのは日本人として誇りですね」

―将来的には酒井選手もより大きなクラブで活躍したい?
「香川(真司=マンチェスター・U)くんであったり、佑都くん、圭佑くんらビッグクラブに行っている選手が身近にいることが、自分のモチベーションになっています。その中で試合に出て、チャンピオンズリーグとか大きな大会で戦って、というのはすごく憧れるところです。夢はと聞かれれば、ビッグクラブに行ってプレーしたい。みんなが叶えたからこそ、強く思うところだと思います」

―今年のW杯で活躍すれば、その夢も実現に近づく。
「現に佑都くんだったりというのは前回のW杯での活躍が認められてここまで来ていると思います。彼自身にもすごくきっかけになった大会だと思う。そういう選手がいくら出てきてもおかしくない場所だと思うし、自分もステップアップ出来るかという部分は楽しみにしています」

―アディダス社製スパイク『アディゼロF50』も酒井選手の躍進を手助けします。
「代表カラーで非常に馴染みやすい色ですよね。上から下まで青というのは自分の中でもいいフィーリングがあります。このスパイクのフィット感はすごく好きなので、本当に気に入っています」

―とにかく軽い。特長であるスピードが存分に生きるスパイクです。
「個人的にスピードは自信を持っているところではあります。軽さもそうだし、しっかり足の動きを再現できるスパイクだと思います。サイドを駆け上がる時だったり、守備で対応するときにスピードは大事になってくると思います」

―前回大会も注目を集めたボールですが、今回大会のボールもアディダス社製の『ブラズーカ』に決定しました。
「色が凄いですよね。ブラジルっていうと全部派手になっちゃうのかな(笑)。前回大会でもそうでしたが、ボールは勝敗に直結するので、ブラジルをイメージしたと言われていますけど、日本にいいふうに転がってくれればいいなと思います。でも色で目が慣れるか…ですかね(笑)」

―発奮材料という意味では今年から酒井選手の弟、4兄弟の四男、高聖(ごうそん)選手も新潟ユースからトップチーム昇格を果たします。
「僕から始まって、宣福(のりよし、三男=新潟→福岡)までプロになって。ユースにいて2人の兄がトップに上がったというプレッシャーもあったと思いますが、それをしっかり跳ね除けて、とりあえず第一歩を踏み出せる立場に行けたというのは良かったし、素直にすごいなと思います。ただまだ始まったばかりなので、まだまだ上を目指してやってほしい。弟たちには『早く自分を追い越すような立場になってくれ』って常に言っているんです。やっぱり頑張ってほしいですよね。評判では酒井家の中では一番高聖が足もとがあるということなので。ユース時代の監督にも『お前がユースの時よりは確実に巧い』と言われていますからね」

―最後に今年のW杯にかける意気込みを。
「今は自分がメンバーに選ばれることにまずは集中したいと思います。チームとしての目標より、自分の中では今はW杯のメンバーに入ることだけを考えてやっていきたいです。今、出場機会が少ない選手たちがどんどん下から押し上げていけば日本の層は厚くなる。そういった積み重ねがチームを進化させることに繋がる。自分は上に食い込んでいかないといけない立場にあると思うので、その中の1人として、心構えは常に持っています」

(取材・文 児玉幸洋)

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