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[総体]流通経済大柏が6ゴールで準決勝突破!決勝は市立船橋との千葉県勢対決に!!

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平成25年度全国高校総体
「2013 未来をつなぐ 北部九州総体」サッカー競技

[8.6 全国高校総体準決勝 真岡0-6流通経済大柏 レベスタ]

 6日、平成25年度全国高校総体「2013 未来をつなぐ 北部九州総体」サッカー競技準決勝が行われ、第2試合では流通経済大柏(千葉2)が真岡(栃木)に6-0で快勝。08年以来2度目の決勝進出を果たした。6日の決勝は流経大柏と市立船橋(千葉1)による千葉県勢対決となることが決定。流経大柏と市立船橋がともに決勝へ進出した08年大会(埼玉)は雷雨のために決勝が中止となり、両校優勝となっている。その両校が今夏、福岡の地で“決着”をつけることとなった。

 初の決勝進出を目指す真岡との準決勝は相手DFの不運な退場によって、流経大柏が支配する展開となった。前半7分、流経大柏は敵陣中央でボールを持ったFW森永卓(3年)が相手DFのギャップを突く絶妙なスルーパスを左前方のFW立花歩夢(3年)へ通す。スピードに乗ってPAへ侵入した立花を真岡CB柿沼俊祐主将(3年)がスライディングタックルで阻止しようとしたが、これがファウルとなりPKの判定。加えて柿沼にレッドカードが提示されてしまう。真岡にとっては非常に酷な判定。優勝候補相手に1人少ない人数で残り73分間を戦うことになってしまった。

 流経大柏はこのPKをU-18日本代表候補の左SB石田和希主将(3年)が左足でゴール右へ決めて先制。直後に10番・FW大柿匠(3年)を下げてDF岩丸力也(2年)を投入した真岡は残った10人が統率の取れた守りで隙をつくらず、また運動量多く、球際でもひたむきな動きを見せて流経大柏のパスワークに食い下がる。それでも流経大柏は16分に森永、20分にMF小泉慶(3年)がPAへ切れこむと、25分には右CKのこぼれ球を立花が右足ダイレクトボレー。得点ランキング首位の立花の5戦連発、今大会7得点目のゴールによって流経大柏が2-0と突き放した。

 ポゼッションサッカーを持ち味とする真岡は10人になっても中盤へ楔のパスを入れるなどボールを動かして反撃。左SB大山望槻(3年)のスピードも活かしてまずは1点を奪おうとする。そして粘り続けた真岡に絶好のチャンスが訪れる。後半6分、右クロスがPAのFW鶴見拓樹(3年)へ入り、最後はMF近藤太(3年)がゴール至近距離から右足を振りぬく。だが、流経大柏GK中尾祐太(3年)のビッグセーブの前に追撃することができず。この後も真岡は気持ちを前面に出して戦っていたものの、素早く危険を消す小泉やCB時田和輝(3年)中心に要所を締める相手の前にゴールヘ近づくことができなかった。

 一方、数的優位の流経大柏はボールこそ動くものの、本田裕一郎監督が「全然ダメ。相手が1人少ないのに全然良くない。疲れているのかなと思うんですけど。(理由は)アイディア。(普段ならば)もっともっといいアイディアが出るんですけど、(連戦で)頭が疲れちゃったのかな」と頭を振る内容。確かに攻撃の工夫はなかった。ただ石田が「なかなか崩し切れなかったので納得はしていない。でも(相手が10人になっても)いつもどおりやることは変えないで、相手が焦れたところで出ていくことができた。自分らが軸としているサッカーができたので良かった」と振り返ったように、無理せず試合をコントロールしながら、局面でテンポアップして急所を突くサッカーを貫いた。

 そして後半途中から石田を中盤へ上げると、石田の運動量、切り替えの速い動きが加わり攻撃が活性化。30分に石田のダイレクトの落としから入れ替わるようにPAへ潜り込んだMF秋山陽介(3年)が左足で待望の3点目を決めると、その後は足の止まった真岡を圧倒した。32分には左サイドへ開いた森永からのパスを受けた石田がDFをかわして右足シュートをゴール右隅へ突き刺す。

 さらに34分には交代出場のMF上田将寛(3年)の右足シュートを、同じく交代出場のFW星野秀平(3年)がコースを変えて5-0。そしてアディショナルタイム突入後の36分にも森永が左サイドから出したラストパスを上田が右足で決めて6-0で試合を終えた。

 これですでに決勝進出を決めていたライバル・市立船橋と日本一を懸けて戦うことが決定した。6月の千葉県大会決勝では、プレミアリーグEASTでJユース勢を連破するなど非常に評判の高かった流経大柏を市立船橋が3-2で撃破。ただ、主将の石田が「チームとして常にあの負けを忘れないようにとやってきた。あの負けを忘れなければ厳しいことも要求しあえると思うし、ずっと意識してやってきました」と語ったように、新チーム発足から全国高校総体、プレミアリーグ、全国高校選手権の高校3冠獲得を目標に掲げている流経大柏はこの敗戦を糧に練習に取り組み、スケールアップした。そして今大会は20得点2失点で決勝進出。あとは望みどおりに訪れたライバルとの決勝で雪辱して頂点に立つだけだ。

 森永は「(6-0というスコアが)市船にちょっとプレッシャーになればいいと思います。やっと、1か月ぶりに(対戦の機会が)来たので、今回は絶対に勝ちます。あの試合は本当にボールを動かせずに自分たちのサッカーができなくて負けたんで、今回は自分たちのサッカーで絶対に勝ちます」と宣言。また石田は「絶対にリベンジして、圧倒して勝ちたい」と言い切った。全国決勝の舞台で実現した千葉頂上決戦。流経大柏が必ず雪辱の勝利を挙げる。
 
(取材・文 吉田太郎)
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