beacon

[MOM849]福島県MF松井輝純_序盤のアクシデントを「きずな」が救う

このエントリーをはてなブックマークに追加

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.1 国体少年男子準々決勝 長崎県0-4福島県 朝日]

 出番はいきなりめぐってきた。開始早々にFW名畑祐杏(1年=JFAアカデミー福島)が負傷するアクシデントに見舞われた福島県は、前半16分にMF松井輝純(1年=尚志高)の投入を余儀なくされた。だが出場からわずか5分後の同21分、中央でパスを受けた松井は、DF2人をかわして先制点を奪ってみせた。

 U-16世代で構成される国体メンバーだが、今年のメンバーは2020年東京オリンピックでU-23代表として中核に担う世代となる。その世代の中で松井は昨年、一昨年とアンダー日本代表に選出されている。松井も「出たい」と早くも出場に意欲を見せる。

 だが今大会は直前に行った練習試合で怪我に見舞われた。29日にようやくボールを蹴る練習を始めたという松井は、さすがに30日に迎えた初戦の福岡県戦は欠場した。しかし、きょうの試合前に自ら監督に出場を志願。「みんなが頑張って繋いでくれたから、出たときは決めてやろうと思っていました」。満点回答で完全復調をアピールした。

 名前は「きずな」と読む。復興を目指す福島にとっては象徴的な言葉だ。東京オリンピック開催が決まり、国体は54年ぶりに東京で開催された。余談になるが、東京競馬場で開催された今年の
日本ダービーを制したのは「キズナ」だった。運命めいた「きずな」を持つ男が、東京五輪世代のシンボルとなるべく、まずは地元福島を日本一へと導く。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 児玉幸洋)
▼関連リンク
第68回国民体育大会「スポーツ祭東京2013」特集ページ

TOP