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[MOM855]瀬戸内FW宗近侑(3年)_首位撃破に導いた“第三の男”

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.5 高円宮杯プリンスリーグ中国第14節 瀬戸内高5-3作陽高 広島皆実高G]

“奪われたら、奪い返す”。瀬戸内の最大の武器は何と言っても攻撃力だ。

 ここまで7試合で4得点ゲームを記録しており、得点数は作陽に次ぐ、リーグ2位の40得点、その半数を占めているのが現在、得点王を走る14得点のFW小田駿介と6得点をあげるFW南隆の強力2トップが占めている。だが、この日、目立ったのは2トップの影に隠れがちな第三の男、FW宗近侑。安藤正晴監督が「本来はベンチの選手。スピードがあって、後半から出すと効くタイプなのでスーパーサブとして使っている」と説明する選手だが、怪我で戦列を離脱している南に代わって、スタメンに抜擢されると、試合開始直後から、「運動会では毎回、アンカーを任されていた」といたという50m走5秒9の俊足を活かし、相手裏への飛び出しでチャンスを作る。

 17分にはMF福地拓也のスルーパスからPA左を抜け出すと、勢いそのまま相手DFをかわし、右足でシュートを決めて先制点をゲット。後半30分には右サイドに大きく開いたスペースに走りこんで4点目となったオウンゴールを生み出すきっかけとなった。そして、32分にもまたもやサイドを仕掛けて、小田のゴールをお膳立て。3得点に絡む活躍を見せて、「いつもは途中からが多かったので、スタートで結果を残したかった。今日、勝てばプレミアに上がれるも出てくる。点も獲って貢献したかったので良かった」と自らも納得の行く働きを見せ、安藤監督からも「チャンスと思って、発奮してくれたと思う。選手層に厚みが出るし、より絡み合えばもっとおもしろくなると思う」と高評価を受けた。

 3兄弟の末っ子で兄2人の影響でサッカーを始めたという彼は、中学までは3歳年上の
DF宗近慧(広島ユース→法政大3年)と同じサンフレッチェでプレーをしていた。
昇格の可能性もあったが、「兄と比べられるのが嫌だった」と瀬戸内高の門を叩いた。
2年生だった昨年はスタメンでの出場機会も得ていたが、今年は小田と南の背中を追う形でスーパーサブの座に。「力強いし、強烈な2人。前線から激しいプレスも行けるし、得点も奪える」と認めつつも、「悔しい気持ちはある。目の前に与えられた仕事をきちんとこなしていけば、チャンスは来るかなと信じてやっている」とここまで、彼らに劣らない6得点を奪い、攻撃を牽引する。

 目標は「広島県大会を制して選手権出場。そして、日本一を目指したい」。

 強力2トップと双璧をなす、第三の男の活躍は目標への第一関門である選手県予選突破に弾みを付けるモノとなりそうだ。

(取材・文 森田将義)
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