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[MOM888]帝京三MF國分郁弥(3年)_3人目の主将が決めた優勝決定弾

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.9 全国高校選手権山梨県予選決勝 帝京三2-1日本航空 山梨中銀]

「チームの中ではこの大会に懸けている気持ちは誰にも負けていない」。帝京三の主将、MF國分郁弥(3年)は選手権に懸けていた。今年は4月に左足くるぶしを骨折。前回大会王者として臨んだ夏の全国総体予選はピッチに立つことができず、チームは準々決勝で敗退。全国には手が届かなかった。彼にとってはもう、選手権しかなかった。

 その思いが全国を懸けた決勝で爆発する。右MFとして先発した國分は右サイドでタメをつくりつつ、縦への仕掛けでチャンスメーク。そして1-1の後半39分に「最高っすね」と振り返る優勝決定弾を叩き込んだ。GKのキックから右中間で前を向いたFW鳥居岳(2年)のパスを受けると、逆サイドのゴールネットへ狙い澄ました右足シュート。決して簡単なシュートではなかったが、「ボールが来たら絶対に自分が決めて勝とうという気持ちだった。決められて嬉しい」と声を弾ませるゴールでチームを全国へ導いた。

 今年、帝京三は3人の選手が主将を務めてきた。MF須江守、DF中村哲至と責任感の強い2人が主将を務めてきたが8月、負傷から復帰してきた國分がより3年生と下級生との間に入ることができるという理由で主将に指名される。「後輩とかプレーのことで言いやすいということでボクになったと思う。最初は何をしたらええんやろうと。でも助けあってできた」と國分。先発4人を占める2年生たちの声を聞き入れながら、上手くチームをまとめて勝利につなげた。自分のことだけでなく「みんなで頑張ろう」と声をかけ続けたキャプテンをチームメートたちは「感謝している」。チームの矢印の方向をひとつにし、決勝では自らの思いを込めた決勝ゴール。結果の出なかった1年の最後に、リーダーの思いが結実した。

(取材・文 吉田太郎)
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