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[選手権予選]前回8強の帝京長岡、5発大勝で2年連続全国へ:新潟

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[11.10 全国高校選手権新潟県予選決勝 開志学園JSC高1-5帝京長岡 東北電ス]

 第92回全国高校サッカー選手権大会の新潟県予選は10日、東北電力ビッグスワンスタジアムで決勝が行われ、帝京長岡が5-1で開志学園JSC高を下して2年連続4回目の全国大会出場を決めた。

 激しい雨の中でキックオフを迎えた試合は、早い段階で均衡が破れた。前半10分、左CKからの混戦になったところを快足の1年生MF小林拓夢がプッシュ。帝京長岡にとっては、緊張感を解く一発となった。古沢徹監督は「とにかく相手に中盤で自由を与えないことを重視した。相手の3トップに入れさせないことを考えた。大会を通じて試合の入り方がずっと良くなかったが、今日は立ち上がりの1本目のチャンスを決められたので、すんなりと試合に入っていけたと思う」と先制の手ごたえを語った。試合のペースを握って優位に進めると、前半30分にはFWで起用された岩渕裕人のパスからエースストライカーの山田貴仁が追加点。さらに前半終了間際の39分に小林のアシストから岩渕が決めて3点目をマーク。優位性を確たるものにした。

 後半に入ると前半のシュート数が1本だった開志学園JSCも反撃に打って出たが、堅い守備からの速攻を得意とする帝京長岡は、攻め急ぐ相手からボールを奪うと再び攻め立てた。後半6分、左サイドからのクロスを右DF蔦優斗が頭で合わせて4点目。同17分には岩渕からのパスで山田が自身2点目を決めてリードを5点に広げた。開志学園JSCはテンポを上げたショートパスのコンビネーションで攻めたが、フィニッシュに至るプレーの精度を欠いてなかなか得点できなかった。それでも後半31分に左CKからシュートを放ったMF菊地晃大が一度は相手GKに防がれながらもゴールへねじ込み、意地の1点を返した。帝京長岡にも終盤までチャンスはあったが、ポストに阻まれるなど6点目は生まれなかった。

 両チームは昨年も新潟の覇権を争ってきた。高校総体、高校選手権の県予選決勝で対戦し、どちらも帝京長岡が勝利を収めた。両チームは今季、同じプリンスリーグ北信越に所属しており、帝京長岡は3位と健闘したが、開志学園JSCは9位と苦しんだ。直接対決でも帝京長岡が2勝。高校選手権の全国大会初出場を狙った開志学園JSCだったが、天敵の前に夢を阻まれる格好となった。

 雨が降りしきる中、5-1のまま試合は終了。ホイッスルが鳴ると、赤いユニフォームに身を包んだ帝京長岡のイレブンが抱き合って喜んだ。昨年度の高校選手権では全国ベスト8と躍進したが、今夏の高校総体は県予選を突破できなかった。昨年は良かったのにと言われたくない、負けられないという思いもあった。

 今季、チームのエースナンバー14番を着けているMF柳雄太郎は「昨年は小塚(和希=新潟)が着けていた。インターハイも出て、選手権では全国ベスト8で、彼はプロになった。でも、僕はプロ行きが決まっていない選手で、夏の高校総体は全国に出られなかった。選手権にかける思いは強く持っていたので、優勝できて嬉しい」とプレッシャーをはねのけてつかんだ勝利の重みを噛みしめた。全国でも昨年のチームの背中を追う戦いは続く。前回8強を超えるベスト4、そしてその先へ。エースの山田は「狙うのは、優勝」と言い切った。

(取材・文 平野貴也)
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