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[選手権予選]履正社が創部11年目で悲願の初優勝!:大阪

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[11.16 全国高校選手権大阪府予選決勝 履正社1-1(PK4-1)東海大仰星 金鳥スタ]

 第92回全国高校サッカー選手権大会の大阪府予選は16日、キンチョウスタジアムで決勝が行われ、履正社が1-1で突入したPK戦の末、4-1で東海大仰星を下して初の選手権出場を決めた。

「正直に、ホッとした」。初出場を決めた履正社・平野直樹監督の表情からは、喜びよりも、安堵した様子が感じられた。序盤、後方からボールを繋ぎ、両サイドの揺さぶりから相手に襲い掛かった履正社だったが、DF松岡拓郁主将(3年)が「蹴っても、蹴っても跳ね返されて、拾われて苦しい時間が続いていた。フィジカルでやられていた」と語ったように、DF桂鴻介(3年)を中心にゴール前を固める東海大仰星の牙城を崩せない。反対にセカンドボールを拾われ、MF安藤優作(3年)を中心としたサイドアタックに左サイドを崩される場面も。20分には自陣左で与えたFKがゴール前で混戦となり、安藤にシュートを許したが、ここはGK久松礼於(2年)が冷静に対処し、難を逃れる。

 そして、27分、自陣左でのボール奪取から前線にフィードを入れると、FW瀧本高志(2年)が反応。相手DFにPAで倒され、PKを獲得する。絶好のチャンスだったが、MF石川玲(3年)のキックはGK加藤広通(3年)に読まれて失敗に終わる。そして、直後の31分。仰星に与えたCKをDF小村和丸(3年)に頭で決められ、先制点を許してしまう。

 流れが一気に仰星へと傾きそうな一発だったが、履正社は集中力を切らさずしっかり対応。35分に左後方でFKを奪うと、石川がゴール前に入れたボールをDF長尾悠平(2年)が競り合ってPA左に落とす。GKの反応が遅れた隙にMF宮原直也(3年)が押し込み、同点に追いついた。

「苦しい時間帯が多かったけど、しっかり耐えられたのが良かった」と松岡主将が振り返ったように、苦しい前半を凌ぎ切り、後半からは、FWから左サイドMFに回った瀧本と小川の突破で履正社の攻撃に勢いが出始めたが、集中を切らさぬ守りを見せる東海大仰星からゴールを奪えず。終了間際の39分には左CKをDF安田拡斗(1年)が競り合いからネットを揺らしたが、GKへのファールで得点が認められない。規定の80分間で決着は着かず、勝負の行方は延長戦に持ち越されるが、ここでも両者、決定機を生かせず、全国行きの切符はPK戦に委ねられることになる。

 ただ、平野監督が「仰星さんがいい形の守備をされていたんで、PK戦もあるかなと準備をしていた」と振り返ったように、PK戦に向けて、抜かりは無し。延長後半9分に久松に代えて、GK安川魁(2年)を投入。松岡が「PK戦にはめっぽう強い」と説明する守護神が輝きを放つ。仰星1人目のキッカーにこそ決められたが、2人目、3人目のキックをドンピシャでストップ。対する履正社のキッカーは4人連続で成功し、4-1で勝利。初の選手権出場を掴んだ。

 履正社は2003年に創部したばかりの若いサッカー部。立ち上げ当初から指揮を執る平野監督は念願だった舞台に立てた喜びに「長かった」としみじみ、「我々が最後、勝てたのは運も味方してくれたかなと思う。念願であり、我々にとってはリスペクトしている大会なので、参加出来るのは本当に嬉しい。大阪代表として、恥ずかしくない戦いをして、優勝したい」と意気込みを口にした。

(取材・文 森田将義)
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