beacon

[MOM962]京都橘MF中山俊輝(3年)_足にプレートが入ったままのアタッカーが千金2発

このエントリーをはてなブックマークに追加

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.3 全国高校選手権3回戦 那覇西2-3京都橘 フクアリ]

 1年前の悔しさを右足にこめた。FW小屋松知哉主将(3年)ら前回大会の準優勝メンバーが多数顔をそろえる京都橘(京都)だが、MF中山俊輝(3年)は大会直前のケガでメンバー外だった。「今年は自分の代。悔いの残らないようにしたい」。自身初の全国選手権で初ゴールを含む2得点。チームの勝利に大きく貢献した。

 昨年夏に左足腓骨を骨折する重傷を負った。昨年10月に復帰したものの、全国選手権直前に今度は左足首を捻挫。チームが準優勝を成し遂げる中、ピッチの外から応援することしかできなかった。手術を受けた左足には今も金属のプレートが埋め込まれたまま。「ボールが当たったら痛い」というが、プレートの除去手術は選手権が終わるまで待っている。

 この日は左サイドハーフで先発したが、FW宮吉悠太(3年)とポジションチェンジしていた前半30分、高い位置でボールを奪った小屋松からラストパスを受け、右足で先制点。そのままベンチからの指示で宮吉と位置を入れ替え、残り時間はFWとしてプレーした。2-0の後半5分にはMF中野克哉(2年)の折り返しを右足で押し込み、追加点。結果的にこれが決勝点となった。

「サイドはディフェンスが大変で、しんどい。FWは自分のしたいことができて、やりやすい」と笑う背番号9は「FWをやっているときが一番楽しい。試合中、『FWをやりたいな』と思うこともある」という生粋の点取り屋。小屋松に相手のマークが集中する分、周囲の選手は空きやすい。中山を含め、宮吉や中野ら周りのアタッカー陣がゴールを決めていくことが、初優勝への原動力となるはずだ。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 西山紘平)

▼関連リンク
【特設】高校選手権2013
連載:高校マン・オブ・ザ・マッチ

TOP