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[MOM965]星稜GK近藤大河(3年)_汚名返上のPK3連続完全セーブ

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.5 全国高校選手権準々決勝 星稜0-0(PK3-0)修徳 駒沢]

 まさに完全勝利だ。星稜GK近藤大河(3年)は修徳1人目のMF田上真伍(3年)のシュートを右に飛んでキャッチすると、2人目のMF池田晃輔(3年)のシュートも今度は左に飛んでストップ。「絶対止めて俺がヒーローになる」。気合十分で臨んでいた近藤は3人目のMF田上真伍(3年)のシュートも左に飛んで弾き飛ばす。「PKはそんな得意ではないんですが、3回も止めたのは初めてですね」。河崎護監督も「今日は近藤君に何かが降りてきてましたね」と手放しで褒め称えた。

 汚名返上の連続セーブだった。後半19分、修徳がエリア内に蹴り入れたFKが風にも流され近藤の頭上まで届く。だがキャッチに行った近藤の手をすり抜けると、ボールは後方にこぼれてしまう。「本当に危なかった」。幸いポストに当たりゴールラインを割ることはなかったが、背筋が凍りついた。一躍ヒーローになった近藤も「試合全体を通してのプレーはあまり良くなかった。反省して次の試合につなげたい」と気を引き締める。

 3回戦のリベンジも兼ねていた。3日に行った3回戦でも星稜は玉野光南をPK戦の末に下したが、近藤は一本も止めることなく、相手のミスによって勝ち上がりを決めていた。前日には3回戦でPK戦で敗れた青森山田のGK田中雄大から「次は止めろよ」と激励を受けていたこともあり、「次は絶対止めてやろう」と闘志を燃やしていた。

 2年連続で4強に進出し、改修前最後の国立のピッチを踏むことになった星稜だが、近藤にとっては3度目にしてようやく念願を果たすことになる。名古屋U15時代、全日本ユース(U-15)選手権で国立で行う決勝に進出したが、サブメンバーで出場は叶わず。昨年度の準決勝でもベンチから敗戦を見届けた。3度目の正直で踏む憧れのピッチ。しかしここで満足するわけにはいかない。「周りが本田選手と言うので、そこ(4強)は越えたいなと思います」。感慨にふけるのは歴史に名を刻んでからでも遅くはない。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 児玉幸洋)

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