ヴィッセル神戸は8日、横浜F・マリノスと練習試合を行い2-0で勝利した。MF小川慶治朗は、1本目は2トップの一角に入り、2本目では中盤の左サイドを務め、横浜FMゴールに迫った。それでも「相手のうまい選手のところをどういくかっていうところで、ボールをうまく持たれていたし、行き所がなくやられていたなと思います。攻撃に移ったときも慌てたり、バテていたことでボールを失うこともありました。練習でやった形をつくれた場面もありましたが、回数が少ないので、もう少しボールを保持してやっていきたい」と、課題を口にした。

　安達亮監督が「(昨季からの)既存の選手は守備から入るイメージは強いし、守備から入るイメージはできあがっているものがあります。われわれ(コーチングスタッフ)も、守備から入っていく練習メニューを考えて、昨年、一昨年やってきたものを持っています。守備面はある程度短期間でつくりやすいかな、と思っています」と話す神戸。そのため、今回のキャンプでは攻撃面の強化に多くの時間を費やしているという。小川も「DFラインからつなごうという練習をしていますが、1本目は後手に回ってしまいました」と反省する。そして「いろんなメンバーで試していることもあると思いますが、誰が出ても試合で勝てるようにしていきたい」と、戦い方をチーム全体に浸透させる必要性を説いた。

　J2で戦うことになった今季、多くのチームは神戸の速攻を封じるために、スペースを消す戦い方をしてくることが予想される。小川も、それを覚悟しており「慌てずにボールを保持していきたい」という。ただし、重要なのは相手の対策を考えることではないと小川は強調する。

「ビデオとかいろいろなJ2の戦い方を見ましたが、引くだけではなく、前プレでくることも予想されます。おとといの福岡戦でも、前プレを立ち上がりからやられているので、いろんなシチュエーションがあると思います。相手に合わせるのではなく、最初に『自分たちのサッカーをやる』というふうに神戸を変えていかないといけないと思っているので、練習からトライしていくことが大事だと思います」

　FW大久保嘉人やMF野沢拓也といった選手がチームを離れた。そのために、何が求められているかは分かっている。「1年でJ1に復帰するという気持ちだけです。そのためにも点を取ることしか考えていません」。神戸のエースナンバー『13』を背負う20歳は、強い覚悟を言葉にした。
(取材・文　河合拓)

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