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[PSM]4失点の湘南GK安藤「簡単じゃないというメッセージ」

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[2.16 PSM 大宮4-1湘南 NACK]

 今シーズン、J1に昇格した湘南ベルマーレは16日に大宮アルディージャとプレシーズンマッチを行い、1-4で敗れている。この試合にフル出場したGK安藤駿介は「僕を含めて全員が課題を感じられたと思います。簡単じゃないというメッセージ。大宮も毎年、残留争いをしていますが、これだけ力がある」と、力の差を認めた。

 J1に挑戦するチームの中で、安藤自身もチャレンジしている。これまでゴールでシュートを待つタイプのGKだったが、この日は前に出る積極的なプレーを見せた。「飛び出しは課題です」と語るように、前半26分には相手のロングボールに反応し、PAを飛び出したが、ボールに触れずに相手に奪われた。FW長谷川悠のシュートミスに助けられたが「ボールが高く上がって、風もあったので出るか、出ないか判断に迷いました。でも、出て良かった。どこまでが自分の守れる範囲なのかというのが分かったので、良い勉強になりました」と、振り返る。

 これまではゴールライン上からPKマークの間にポジションを取ることが多かったが、今はPAのライン上、もしくはさらに高い位置を取っている。背後を取られる恐怖感はないのかと聞くと「常に相手を見て、目が合ったら下がるようにしています。でも、昨年一緒にプレーしていた(中村)憲剛さんのように、常にゴールを狙っている選手がいるので、そういうときは意識したい。ただ、今は怖がらずに前を出ることを多くして、チャレンジしています」と明かした。

 湘南の選手は個々の能力は決して高くない。この日も、4人がかりで大宮のアタッカーからボールを奪おうとしたが、奪えずにスペースに展開されてピンチを招く場面があった。個の能力不足を補うためには、組織力が必要だ。ボール回しにGKが加われば、ピッチ上のどこかに数的優位ができる。後半22分には安藤のパスを受けたFWキリノがシュートに持ち込む場面があった。この例は極端にせよ、GKがパス回しに参加することでのメリットはある。

 ただし、危険とも隣合わせた。3失点目の場面でも、味方がバックパスしたボールを安藤がクリアーした。しかし、処理しやすい位置にボールがこなかったこともあり、安藤のキックがつまった。そこから速攻を受けて失点を喫している。「ミスキックです。右足の前に(ボールが)来れば、思い切り蹴ることができたのですが…。両足の間に来て、なんとか当てようとしたけれど、(ボールが)中盤に落ちてカウンターから失点してしまいました。あそこは外に蹴った方が良かったかもしれない」と安藤は悔やんだ。

 流れの良い中で喫した1失点目も「あそこは僕が止めないといけません。今日出た課題として、次は止められるように頑張ります」と、自身の責任として受け止める安藤。シーズン中に笑うために、今は歯を食いしばりながら、チャレンジして、出てきた課題の修正に務めていく。
(取材・文 河合拓)
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