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9番で初ゴールの柏 FW工藤「決めないと怒られると思った」

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[3.3 J1第1節 柏3-1川崎F 柏]

 待望の瞬間は、2-0で迎えた後半27分に訪れた。相手の縦パスをカットしたDF近藤直也が、そのままドリブルで中央を突き進む。左サイドにはMFレアンドロ・ドミンゲスとFWクレオ、右サイドには工藤が走り込んでいた。ここで近藤は工藤へのパスを選択した。「僕が打っても入んないでしょ(笑)。より確実な選手に渡しました。相手の中盤とDFラインの間が空いていたので、ドリブルでボールを運び、最後は工藤にパスを出しました」と、近藤は振り返っている。

 本人は明かさなかったが、FWクレオは、この試合ですでに2点を挙げてハットトリックの可能性もあった。その中でも、工藤にパスを出したのは、今季からエースナンバーである9番を背負う男が、無得点に悩んでいたことを察していたこともあるのだろう。

 この試合、クレオの挙げた2点にも絡んでいた工藤だったが、やはりゴールが欲しかったと、試合後に明かしている。「もう2点くらい、取れるチャンスはありました。そこを決めることが今後の課題ですが、ここまでゴールがなかったですし、プレーもうまくいっていなかった。そういう意味では開幕戦で1点取れたことは、気持ちの面でフレッシュになりましたし、次につながると思います」。そして、冗談交じりに「なかなかドゥさん(近藤直也)からパスが来ることがないから、これは決めないと怒られると思っていました。無事に決めることができて良かったです」と、笑顔を見せた。

 もちろん、このゴールに満足するつもりは、まったくない。「チームはACLとリーグ戦で連勝して、波に乗りました。僕はここからが開幕です。ここからゴールを量産していきたいです」と、サポーターに力強く宣言した。

(取材・文 河合拓)

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