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前田の決勝ヘッドでイラクに勝利、ホーム3連勝でブラジルW杯へ前進

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[9.11 W杯アジア最終予選 日本1-0イラク 埼玉]

 日本代表は11日、W杯アジア最終予選第4戦でイラク代表と対戦した。FW香川真司が腰痛で欠場した日本は前半25分、FW前田遼一のゴールで先制。追加点は奪えなかったが、守備陣が無失点に抑え、1-0で競り勝った。最終予選のホームゲームは3試合連続完封で3連勝。3勝1分の勝ち点10に伸ばし、ブラジルW杯出場に大きく前進した。

 日本は前日10日の練習で腰に違和感を訴えた香川がベンチ外。前田、FW岡崎慎司が2試合ぶりに先発し、岡崎は右サイド、FW清武弘嗣が左サイドに入った。DF内田篤人、DF今野泰幸、DF栗原勇蔵の3選手が出場停止の守備陣では、UAE戦を右足首痛で欠場したDF長友佑都が先発復帰。左足首痛のDF酒井宏樹はベンチ外となり、UAE戦は左SBだったDF駒野友一が右SBで先発した。CBは8月15日のベネズエラ戦(1-1)、UAE戦に続いてDF伊野波雅彦がDF吉田麻也とコンビを組んだ。
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 ザックジャパンの立ち上げ以降、招集された試合では全試合に先発してきた香川の欠場。背番号10不在の決戦はいきなりピンチを迎えた。前半5分、イラクは右CKからニアサイドのDFアハメド・イブラヒムがヘディングシュート。至近距離からのシュートはGK川島永嗣が何とか弾き出した。

 日本の攻撃時になると、MF本田圭佑がボランチのMFハルドゥーン、MF遠藤保仁がFWアムジェド、MF長谷部誠がFWアラーにマンツーマン気味に付かれ、なかなか中盤でボールを回せない。前半11分にはオーバーラップした長友が左サイドから中に切れ込み、右足ミドルを狙うが、攻撃は単発だった。

 中央のマークが厳しい分、駒野、長友の両SBが果敢に攻撃参加を仕掛け、サイドから局面の打開を図る日本。前半15分には岡崎の右クロスに清武が頭で合わせるが、GKがセーブ。こぼれ球を拾った清武の左クロスに飛び込んだ前田のヘディングシュートもゴール右に外れた。

 イラクは前半21分、MFアハメド・ヤシーンの左CKからファーサイドでフリーのMFハンマディが左足でシュート。これは目の前にいた長友に当たって枠を外れ、かろうじて失点を免れたが、セットプレーから立て続けに決定的なピンチを招いた。

 流れの中では攻めあぐねていた日本だが、セットプレーから一瞬の隙を突いた。前半25分、右サイドからのスローイン。PA内のスペースに走り出した岡崎が駒野からのスローインを左足ダイレクトでクロスを上げ、ゴール前に走り込んでいた前田がヘディングで押し込んだ。

 前田の最終予選3得点目で先制した日本はその後も左SBの長友が積極的なオーバーラップからチャンスをつくるが、追加点は奪えない。逆にイラクは前半41分、CKのカウンターからヤシーンがドリブルで一気に駆け上がり、そのまま右足でシュート。しかし、これもGK川島が横っ飛びで弾き、ピンチをしのいだ。日本は前半ロスタイム、本田の右CKのこぼれ球を遠藤がダイレクトボレーで狙うが、GKのセーブに阻まれ、前半は1-0で折り返した。

 後半に入っても長友は運動量を落とさず、果敢にオーバーラップ。後半6分には1対1の状況でドリブル突破を仕掛け、FKを獲得するなど、左サイドを完全に制圧した。早めに2点目が欲しい日本はセットプレーのチャンスも再三獲得するが、後半7分、遠藤のFKのこぼれ球に詰めた本田のシュートはDFがブロック。同18分には本田の右CKのセカンドボールを吉田がバイシクルシュートで狙ったが、大きくゴール上に外れた。

 イラクは後半19分、アムジェドに代えて07年のアジア杯得点王でもあるFWユーヌス・マフムードを投入。これまでは前線の選手も日本のダブルボランチにマンツーマンでマークに付いていたが、ユーヌスは日本の攻撃時も前線に残り、カウンターで同点ゴールを狙った。

 日本は後半24分、清武のスルーパスから左サイドを抜け出した長友がクロス。ゴール前に走り込んだ本田が頭で合わせたが、シュートはゴール上に外れてしまう。1点差のまま試合は終盤に入り、イラクは後半30分、アラーに代えてMFナシャト、同33分にはアハメド・ヤシーンに代えてFWケッラルを投入し、交代枠を使い切った。

 勝利を決定づける追加点が欲しい日本。後半35分には左サイドからの清武のピンポイントクロスに本田がダイビングヘッドで合わせる。決定的な形だったが、シュートはGKの手を弾いて右ポストを直撃。あと一歩のところで2点目を取れなかった。

 日本は後半44分、清武に代えてMF細貝萌を投入し、最初のカードを切る。岡崎が左サイド、本田が右サイドに張り、中盤は細貝をアンカーにした3ボランチで守備を固めた。同45分には前田に代わってFWハーフナー・マイクがピッチに入った。逃げ切り体勢に入った日本は追加点こそ奪えなかったが、そのまま1-0で勝利。最終予選4試合を終えて3勝1分の勝ち点10に伸ばし、B組首位を独走している。

(取材・文 西山紘平)

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