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イタリアと壮絶な打ち合いも惜敗…日本は連敗でGL敗退決定

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[6.19 コンフェデレーションズ杯A組 日本3-4イタリア レシフェ]

 コンフェデレーションズ杯は19日、グループリーグA組の第2戦を行い、日本代表はレシフェのペルナンブコ・アリーナでイタリア代表と対戦し、3-4で敗れた。日本は前半21分、MF本田圭佑のPKで先制すると、同33分にはMF香川真司が追加点を決め、2-0とリードした。前半41分にCKから1点を返されると、後半5分にDF内田篤人のオウンゴールで同点。同7分にはFWマリオ・バロテッリのPKで勝ち越しを許したが、後半24分にFW岡崎慎司が同点ヘッド。3-3と試合を振り出しに戻すも、後半41分に4失点目を喫した。2連敗となった日本は22日のメキシコ戦を待たずにグループリーグ敗退が決まった。

 日本は0-3の完敗を喫した15日のブラジル戦から先発一人を変更。ブラジル戦は途中出場だったFW前田遼一が今大会初先発を飾り、MF清武弘嗣はベンチからのスタートとなった。前田は1トップに入り、ブラジル戦に1トップで先発したFW岡崎慎司が2列目の右サイドに下がり、トップ下に本田、左サイドに香川が入った。
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 試合開始20秒、岡崎が猛然とプレスをかけてボールをカットするなど立ち上がりから気持ちを前面に押し出し、試合に入った。前半5分には香川の左クロスに前田がフリーで飛び込んだが、ヘディングシュートはGKの正面。その後も落ち着いてパスをつなぎ、相手ボール時には高い位置から積極的にプレッシャーをかけ、イタリアに主導権を与えなかった。

 前半10分時点でボール支配率は日本が60%、イタリアが40%。ブラジル戦のように強豪相手に気おくれすることなく、日本らしいサッカーを展開した。スタジアムの観衆も日本の選手を後押し。イタリアがボールを持っているとブーイングが飛び、日本ボールになると大歓声が起きた。日本コールも鳴り響くなど、ホームのような雰囲気の中で試合は進んだ。

 すると前半20分、日本は自陣から前線にロングフィードを送り、DFデ・シリオが頭でGKにバックパスしたボールが短くなり、岡崎が詰めたところでGKジャンルイジ・ブッフォンと交錯。これがブッフォンのファウルとなり、PKを獲得した。キッカーは本田。冷静に左足でゴール右隅に蹴り込み、先制点を奪った。

 その後も日本のペースで試合は進む。前半26分、MF長谷部誠がミドルシュートを狙えば、同28分にもカウンターからDF長友佑都がドリブルで駆け上がり、そのまま自らフィニッシュ。守備でもFWマリオ・バロテッリに対し、DF今野泰幸、DF吉田麻也の両CBが粘り強いディフェンスで対応し、決定機を与えなかった。

 リズムをつかめないイタリアは前半30分に動く。今大会初先発となったMFアルベルト・アクイラーニを下げ、FWセバスティアン・ジョビンコを投入。早くも交代カードを切ったが、日本は同32分、岡崎がMFアンドレア・ピルロからボールを奪い、カウンターのチャンスにつなげるなど、互角以上の戦いを演じた。

 そして迎えた前半33分、右CKからショートコーナーでつなぎ、本田がゴール前にクロス。DFがクリアしたセカンドボールを今野が再び跳ね返すと、混戦の中、香川がうまくDFジョルジョ・キエッリーニと体を入れ替え、反転しながら振り向きざまに左足を振り抜いた。鮮やかなボレーシュートにブッフォンは一歩も反応できず。ゴールネットに突き刺さり、2-0とリードを広げた。

 日本の追加点でスタジアムは完全に味方に付いた。日本がパスをつなぐたびに「オーレ」の掛け声と歓声が沸く。前半36分には本田を倒したMFダニエレ・デ・ロッシがイエローカードを受け、今大会2枚目の警告でブラジル戦は出場停止となった。このプレーで獲得したFK。MF遠藤保仁が直接狙ったキックはゴールマウスを捉えていたが、ブッフォンが前に弾く。こぼれ球に詰めた長谷部のシュートもブッフォンに抑えられた。

 徐々に反撃を強めるイタリアに対し、日本は前線からのプレスが弱まり、前半の終盤は防戦一方となった。前半40分のピルロの直接FKはゴール上に外れたが、同41分、ピルロの右CKに走り込んだデ・ロッシが長谷部と競り合いながら豪快なヘディングシュートを叩き込み、1点を返した。前半ロスタイムにはMFエマヌエレ・ジャッケリーニのシュートが右ポストを直撃。ヒヤリとさせられた日本だったが、2-1と1点リードのまま前半を折り返した。

 後半も落ち着いて試合を進めたい日本だったが、悔やまれるワンプレーで流れが一変した。後半5分、イタリアはFKのセカンドボールをピルロがゴール前に入れる。吉田はジャッケリーニよりも先に反応し、体を前に入れていたが、クリアし切れずにボールを奪われた。ジャッケリーニのグラウンダーのクロスは、必死に戻りながらスライディングでクリアしようとした内田に当たってゴールへ。オウンゴールで2-2の同点に追いつかれた。

 さらに不運は続く。直後の後半6分、ジョビンコのミドルシュートは至近距離で長谷部の足に当たって跳ねるように腕に当たった。これが長谷部のハンドを取られ、まさかのPK献上。しかも長谷部は警告を受け、累積2枚目のイエローカードでメキシコとの最終戦が出場停止となることも決まった。PKのキッカーはバロテッリ。GK川島永嗣の逆を突いてゴール左に流し込み、ついにイタリアが逆転に成功した。

 3分間で2失点を喫し、2-3と逆転を許した日本。グループリーグ突破に望みをつなぐためには、最低でも追いついて引き分けに持ち込む必要がある。リードを奪ったイタリアのカテナチオをなかなか崩せずにいたが、必死の反撃が実った。後半24分、右サイドからのFKのチャンス。遠藤のキックに岡崎がニアへ飛び込み、ヘディングシュートを叩き込んだ。

 3-3の同点。再びゲームを振り出しに戻すと、後半26分には本田が中央をドリブルで駆け上がり、2人をかわしてフィニッシュまで持ち込んだが、右足で放った渾身のシュートはブッフォンの好セーブに阻まれる。日本は同28分、この試合最初のカードを切り、内田に代えてDF酒井宏樹を投入。同34分には前田に代わってFWハーフナー・マイクがピッチに入った。

 勝ち点3を目指す日本はその後も積極的なプレーを見せ、イタリアを押し込む。後半39分にはカウンターからハーフナー、本田、岡崎とつないで長友が左サイドからグラウンダーのクロス。DFのクリアボールを岡崎が左足で狙うと、右ポストを直撃した跳ね返りに香川が詰めたが、ボールはクロスバーをかすめてゴール上へ。決定機を逃すと、最後に悪夢が待っていた。

 イタリアは後半41分、スルーパスに抜け出したMFクラウディオ・マルキージオの折り返しをジョビンコが左足で押し込み、4-3。日本は後半43分、岡崎のシュートがクロスバーに当たった跳ね返りを吉田が押し込み、ゴールネットを揺らしたが、オフサイドの判定で同点とはならず。後半ロスタイムには長谷部に代わってMF中村憲剛が入り、最後までゴールを目指したが、あと一歩及ばなかった。3-4の惜敗で2連敗の日本はグループリーグ敗退が決定。2連勝のイタリアがブラジルとともに準決勝進出を決めた。

(取材・文 西山紘平)

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