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PK獲得に同点ヘッドも…岡崎「負ければ何も残らない」

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[6.19 コンフェデレーションズ杯A組 日本3-4イタリア レシフェ]

 意地の同点ヘッドも勝ち点には結びつかなかった。2-3で迎えた後半24分、MF遠藤保仁の右FKからFW岡崎慎司(シュツットガルト)がニアに飛び込み、豪快なヘディングシュートをゴールネットに突き刺した。3-3。引き分けで終われば、グループリーグ突破に望みをつなぐことができたが、後半41分の失点で万事休した。

「最後のところで点を決められず、向こうは効率よく決めた。最後も簡単にやらせてしまった。もったいない。最悪、引き分けないといけなかった。攻撃陣としてもあれだけ手数があれば決めないと。個人的にもこぼれ球に詰めたところとか、ああいうところでの結果がこういう結果になる。これが国際大会なのかなと」

 同点ヘッドのシーンだけではない。3-3の後半39分にはDF長友佑都の折り返しからセカンドボールを左足で狙ったが、惜しくも右ポストを直撃。勝ち越しを許したあとの後半43分には本田の折り返しに合わせたシュートがクロスバーを叩いた。

「ポストに当たったのは入ってほしかった。もったいない試合をした。メキシコ戦に(グループリーグ突破の)可能性を残したかった。3-3になって、攻めに行ったけど、それでも最悪、引き分けにするのが強豪チーム。国際舞台は、負ければ何も残らない。もったいない試合だった」

 持ち味は発揮した。日本らしいサッカーも見せた。「失うものはないという気持ちで入った」という試合開始20秒、左SBデ・シリオに猛然とプレッシャーをかけ、ボールを奪った。立ち上がりのワンプレーで、サイドの主導権を握った。

「相手のSBは若そうだったから、プレッシャーをかけたら何か起きるかなと思った。相手は最初から最後まで消極的だったし、自分もこれだったら行けるなと思った」

 狙いはすぐに形となった。前半21分、先制点につながるPKは、日本のロングボールをデ・シリオがGKにバックパスしたところに岡崎が詰めて獲得したものだった。GKジャンルイジ・ブッフォンと交錯し、主審はブッフォンのファウルを取った。岡崎自身、「PKかは微妙だった」と言うが、デ・シリオのバックパスは「消極的なプレーをしていたので、絶対に来るなと思った」と読みどおりだった。

 イタリアを土俵際まで追い詰め、試合内容でも勝っていた。しかし、結果が出なければ意味はない。2連敗でグループリーグ敗退が決定。メキシコとの最終戦は消化試合となった。「もったいない」。背番号9は、その言葉を繰り返し、悔しさをにじませた。

(取材・文 西山紘平)

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