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アジアと世界の差…今野「0-2ならどん底に落ちていた」

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[6.22 コンフェデレーションズ杯A組 日本1-2メキシコ ベロオリゾンテ]

 最後の1点に救われる思いだった。1-2の敗戦で3連敗。DFリーダーであるDF今野泰幸(G大阪)は「0-2で終わるのと1点返して終わるのとでは違う。1点返したのが救い」と攻撃陣に感謝し、「0-2ならどん底に落ちていた」と素直な胸の内を語った。

 3試合で9失点。世界を相手に、守備の課題をまざまざと突きつけられた。「個人能力もあるし、組織もまだまだ成り立っていない。一つ2つポジショニングのミスがあっても、アジアならカバーしたり何とかなっていた。でも、このレベルになると、一つ2つポジショニングミスがあったらやられる」。アジアと世界の差を思い知らされた。

 2つの象徴的なシーンがあった。前半40分、日本の右サイドからDFトーレスにクロスを上げられると、2列目から飛び込んだMFグアルダードにフリーでヘディングシュートを許した。「俺が(サイドに)つり出されて、中がフリーになった。俺がつり出されなければよかったのか、だれかがカバーできればよかったのか。そういうポジショニングミスでやられる」。このシーンはポストに救われたが、2度目は許されなかった。

 後半9分の失点シーン。メキシコは大きなサイドチェンジで左サイドに展開。グアルダードにはDF酒井宏樹が対応したが、ゴール前にクロスを上げられると、中央でFWハビエル・エルナンデスがフリーになっていた。DF栗原勇蔵と今野の間を突かれ、ヘディングシュートがゴールネットを揺らす。「ボランチが見るのか、(栗原)勇蔵が見るのか曖昧になっていた」。一瞬でも隙を見せれば、確実に失点につながる。それが「世界」だった。

「日本は個で守るのではなく、11人で守るチームだし、11人で攻めるチーム。一つのポジショニングミスもあったらいけない。ボールのある位置に応じて11人が動いて、穴を開けないことが大事になる」

 組織で守り、かつ個の能力も高める。MF本田圭佑は「DFの個もクローズアップするべきだと思っている」と言ったが、今野も「それはDF陣みんなが感じていること」と同意する。

「1対1もそうだし、危機管理能力もそう。大丈夫だろうと思わずにしっかりポジショニングを取る。細かいところにこだわらないといけない」。アジアではなく、世界で戦ったからこそ得ることができた経験。それを1年後のブラジルW杯で生かすことができれば、“プレW杯”での3戦全敗という結果も意味を持ってくる。

(取材・文 西山紘平)

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