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最年長31歳の安藤が3年2か月ぶりゴールで存在感アピール

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[7.20 東アジア杯 日本女子2-0中国女子 ソウル]

 ベテランらしい冷静な右足シュートで先制ゴールを決め、3連覇を目指すなでしこジャパンを開幕戦勝利に導いた。

 前半36分。チーム最年長31歳のMF安藤梢(1.FFCフランクフルト)が右サイドからDFの裏へ抜けだし、大儀見優季のパスを受ける。GKと1対1のチャンス。スピードに乗りながらもバウンドにうまく合わせて右足で流し込み、0-0の均衡を破る先制点を決めた。

「ゴールは良い形で打てた。今大会は決めたいという気持ちが強かった。皆のお陰で取れました」。チームメートに祝福されながら、笑顔を浮かべた。

 なでしこジャパン通算18得点目は、3年2か月ぶりに生まれたものだ。前回の得点は10年5月30日に中国・成都で行われた中国との女子アジア杯3位決定戦でのもの。その試合、日本は安藤と澤穂希の得点で2-0で中国を下して3位になり、女子W杯出場権を獲得した。安藤の得点は、なでしこジャパンが翌11年7月に世界一の座に輝くことになる最初の一歩とも言えるものだった。

 その後も常になでしこジャパンのメンバーに選ばれてきら安藤だが、ゴールには恵まれなかった。FWとして出る試合もあっただけに、チームの勝利と裏腹に複雑な気持ちもあったに違いない。

「悔しい気持ちがいろいろありましたが、みんなが応援してくれた。今日は積極的にいくなかでゴールを目指そうと思っていた。裏を取れたときにシュートに行こうと決めて、自然に動けた。いいボールが来たし、気持ちも前に向かっていたと思います」

 得点直後に中島依美と交代したのは不可解だったが、これについては佐々木則夫監督が「10分くらいでボールサイドになったときの息づかいが(ベンチで)聞こえたり、走り方のバランスが悪いと感じた。直感的にケガをするといけないと思って交代させた」と会見で説明した。

「もう少しプレーしたかった」と言う安藤は「監督がそう言っていたんですか? 自分は全然そんなことなく、調子は良かったです。監督に聞いてみますね」と首をひねりながらも、久々のゴールに自然と表情がほころぶ。

「この大会では自分自身もチャレンジしながらやっている。チームとしても連覇を狙う中で。ただ勝つのではなく、進化したところを出したい」

 澤が負傷で招集されていない中、代わりにベテラン力を見せた安藤。3連覇のために欠かせないという存在感を見せつけた。

(取材・文 矢内由美子)

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