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日本vsオーストラリア 試合後の選手コメント

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[7.25 東アジア杯 日本3-2オーストラリア 華城]

 日本代表は25日、韓国の華城(ファソン)でオーストラリア代表と対戦し、3-2で競り勝った。日本は前半26分、FW齋藤学のA代表初ゴールで先制すると、後半11分にもFW大迫勇也が代表初ゴールとなる追加点。後半31分、34分の連続失点で一時は同点に追いつかれたが、失点直後に大迫が自身2得点目となる決勝点を決めた。

以下、試合後の選手コメント

●FW大迫勇也(鹿島)
―初先発で初ゴールを含む2得点。
「やっていて楽しかったし、もっとやりたいと思った」
―トップ下だったが?
「ほんとは前をやりたいけど、それはしょうがないし、割り切ってやるしかない。いい関係でできてよかった」
―今までのトップ下とはタイプが違う。
「FWなので。そこはゴールに向かうことができたのかなと思う」
―オーストラリアのディフェンスは?
「相手がデカいのは苦にならないので」
―監督からの指示は?
「一応、『2トップでやれ』と言われていた。『でも、気を遣ってちょっと下がれ』と。1トップみたいになったのはしょうがない。僕があそこで引かないと大変なことになる」
―バイタルエリアでボールを受けれた。
「両サイドが幅をつくってくれて、僕が受けやすい形をつくってくれた。みんなで連動できた」
―ゴールの形は?
「流れの中で決めることができてよかった。落としてきたボールを冷静に打つことができた」
―1点目はGKが倒れるのを待った?
「タメて打った。余裕があった」
―次は韓国戦だが?
「球際は来ると思うから、そこは負けずに、冷静に戦いたい」
―メンバーが総入れ替えだった。
「やってやろうと思った。ここまで来て、ずっとベンチに座るのは悔しい」
―反転するシーンが多かったが?
「周りが見えていたので。そこはうまくやれた」
―追いつかれた直後の勝ち越しゴールだったが?
「あの時間帯に決めることで相手の勢いが半減すると思った。いい時間に決められた」
―豊田との関係もよかった。
「鹿島でもダヴィが前に入ってみたいな感じだから。スムーズにできた」
―2得点できたことについては?
「うれしかったけど、もっと取れたと思うし、もっとやりたい」

●FW齋藤学(横浜FM)
―どのような指示?
「右サイドで受けて起点になることを言われていた。SBとの1対1に勝とうと。1本目でいいドリブルができた。ゴールシーンは右サイドじゃなかったけど、バイタルエリアでうまく受けて前を向けたのでよかった。相手はデカいけど遅いので、1対1はしやすかった。もっと高い位置で1対1ができればよかったけど。ゴールシーン以外、いいシーンがなかった。そこは反省点。もっとやれたかなという思いの方が強い」
―組織が重視される中でドリブラーが良さを出すのは難しさもあるのでは?
「自分の特長はドリブルなので、良さを出すには3人目で仕掛けること。個人的にはサコ(大迫)の1点目のスルーとか、ああいうプレーも好きなので、ああいうシーンができて良かったけど、ただ、自分の良さを出すにはドリブル。それしかない。負けないでそれを出すしかない。パスを出すことを要求されればしょうがないけど、自分の良さを出すことを考えた」
―ターニングポイントになりそう?
「いえ、Jリーグでやっていることと変わらないので。チームのことをしっかりやりながらというのは、マリノスでもルールがある。変わったという感じはしない。ここからうまくなれればいいなと思う」
―ストロングポイントをうまく出せたのでは?
「チームでうまくバイタルを使えたので、あそこで前を向けたのかなと思う。でももっとやれた試合だと思うし、やらないといけない試合だったと思う」
―大宮戦と左右逆のゴールシーンだった。
「チームでも左サイドからのドリブルをやっていたので。大宮戦はたまたま右で受けてああいう形になったけど、左右どちらもうまくこなせたと思う」
―何人いても、あそこは狙う?
「その場にならないと分からない。今日はいい状況で自分の仕掛けになったのかなと思う」
―いつ打つのかという感じだったが?
「途中で打とうという気持ちはなかった。あそこで打とうという雰囲気は自分の中にあったので。うまくできたかなと」
―CBからいい縦パスが入っていたが?
「そうですね。森脇くんとの関係、(鈴木)大輔との関係、(高橋)秀人くんとの関係。あれがやりたいことだと思う。ずっと練習でやってきたことなので、それを出せたというのはすごく良かったと思う」
―前の選手の距離感も良かったが?
「そうですね。ただ、もう少し前で落ち着かせて、左右に振れたら良かった」
―結果を残すことは大事。
「ここ最近、やっと点を取れるようになってきたので。それまで全然取れていなかったから、ここからだと思う」
―1戦目より2戦目の方が出せたという手応えは?
「途中出場の難しさというのは自分でも感じていた。その中で良さを出すためにもっといい選手にならないといけないと思うけど、最初から出たときは出さなきゃ何も言い訳にならないですから。今日は出せて良かった。でもあれだけになってしまったので、もっとやれたかなと」

●FW豊田陽平(鳥栖)
「タイミングで相手に先にポジションを取られたシーンもあったけど、自分の間合いで受けられたときはしっかりできたし、少し自信になった。ハイボールに関しては十分にやれるなと」
―先発デビューだったが?
「(代表に選ばれて)チャンスをいただいて、どこかで来るかなと思っていたら、今日かと。今まで準備してきたことを何とか結果として出したかった。得点というのは感覚的なところで、悪くはなかったんだけど、数cm、数mmのところであと少し我慢できなかった。自分の中で整理できている部分と、これから整理したい部分がある。残念だけど、ネガティブにならずに。得点を取れる場所にポジションを取るのが自分の長所。察知するという意味ではしっかりポジションを取れていた。最後のタッチは感覚的なところなので……」
―先発が分かったときは?
「これがラストチャンスだと思って、しっかり勝負しないといけないと思って臨んだ。それがいい方向に進んだと思う。あとはゴールだった」

●FW山田大記(磐田)
「チームとしての狙いを出しやすい相手というのが一つあって、中国戦よりも狙っているスペースが空いていた。僕や(齋藤)学が真ん中に入っていってもフリーだったので、アピールというよりはそこはできて当たり前だった。受けたあとにもう少し関係性をつくれたり、決定的な仕事をするところを増やせたら良かった」
―クロスは豊田選手に対して狙いのあるボールを出せたのでは?
「そうですね。トヨくん(豊田)とは練習のときからどこで合わせるかというのを話していた。ヘディングが今回のチームで一番強いのはトヨくんだし、自分が上げるときはターゲットにしていた。結果的に見れば点にならなかったので残念だけど、すごくフィーリングや相性がいい。思ったところに走ってくれて、そこはすごく良かった。目が合うというよりは感覚。お互いのポジショニングで、そこに走るだろうなと思うところに何となく出すと、そこにトヨくんが来る。すごく合わせやすかった」
―前線の役割分担は?
「あとの3人がアタッカータイプだったので、自分はミーティングでも雰囲気的にはその3人、2トップにボールを供給できるように意識していた。それを意識したうえで、決定的なところで出したかった」
―FKは左足で蹴っていた。
「JリーグでFKを蹴ったことがないのに、まさか代表で初めてのFKを蹴るとは思わなかった。ちょっと遠かったので、パワーでは左の方が自信があったので左で蹴ったけど、全然ダメでした」

●MF高橋秀人(F東京)
「限られた時間の中で、自分たち11人がどう協力してやっていくか。練習で監督から言われていたので、プレスの部分とビルドアップの部分は気をつけてやろうという認識を持ってやった」
―練習でやっていたことがかなりできていたが?
「よどみなくできていた部分もあるし、特に中国戦よりプレスの部分で、行くところと行かないところ、ぼかすところとぼかさないところ、耐えるところと自分たちが奪いに行くところのメリハリが付いていたと思う。そこに対する声で、権ちゃん(権田)とか千葉ちゃんとか(鈴木)大輔とか(山田)大記とか、そういう選手が臨機応変にピッチで声をかけて、足を動かし続けたことは成長しているところだと思う」
―チームの約束事を忠実にやっていた印象があるが、この前の反省を生かした?
「反省を生かしたというより、最初の中国戦は集まって時間もなかった。一つの試合を終えたことで、一つの材料が増えたので、みんなでビデオ分析したり、選手同士で話し合ったことが成長の要因だったと思う」
―ボランチの2人が上がったり下がったり、バランスを取っていたように見えたが?
「タカ(扇原)も(山口)螢も青ちゃん(青山)も、お互いの位置を見てバランスを取れる選手なので、そこはよどみなくできた」
―試合の流れの中で意識したことは?
「2失点目は絶対に与えたくなかったので、それを与えてしまったのは今後の課題。逆に3点目を取れたことは収穫だけど、3失点目は与えたくなかった」

●MF扇原貴宏(C大阪)
「ボランチが一枚下がって、サイドに出た片方のCBが持ち出すというのは練習でもやっていたし、(鈴木)大輔くんからもすごくいいパスが出ていたので、いい形は出たと思う」
―自己評価は?
「全然ダメ。イージーなミスもあったし、自分のところから出すのが少なかった。もうちょっとボールに絡んだところで、前にボールを当てたかった。ちょっとバックパス、横パスが多かったのがダメだった。この相手だったら、もっとできたと思うし、悔しい。自由にプレーできたからこそ、もう少し前線にパスを供給したかった。自分の特徴でもあるので、今日はもっともっとやらないといけなかった」
―タイミングが合わなかった?
「タイミングもそうだし、自分がもう少し前線の選手を動かさないといけなかった。今日ははじめからバックパスという選択もあったので、しっかり前線を見て、前にしっかりと運びたかった。もっとやれたと思う」
―相手の守備が厳しかったのか?
「プレスはそんなにきつくなかった。ポジショニング、ボールを受ける場所、自分の判断のせいだと思う」
―チャレンジ&カバーの部分はできた?
「バイタルエリアのケアは意識していたけど、前半はDFラインに吸収されすぎて、中盤にプレスにいけなかった。監督から指示もあったけど、もう少しプレスにいきたかった」
―ボランチがDFラインに落ちてビルドアップする、練習でやっていた形が表現できていたが?
「それは練習でもやっていたし、形としてハマっている時間帯もあった。前半はオーストラリアが困っているようにも見えたので、いい部分は継続してやれればいいけど、そこでも3枚になったときの回し方はもっと工夫できたと思う。もう少し改善してやれれば」

●DF鈴木大輔(柏)
―後半にバタバタした原因は?
「押し込まれた時間帯は少し受け身になったというのがあって、一人ひとりの足が止まって、ラインを押し上げることができなかった。そこで相手の中盤の選手に前を向かれてしまった。そこは修正できるかなと思う」
―セットプレーの守備は?
「先に相手に触られる回数が多かった。中でブロックされるというのがあったので、マークの受け渡しをもっと忠実にしないといけないし、個人的にももっと先に触れればクリアできるところがあった」
―千葉との関係は?
「千葉さんとは新潟のときに組んだことがあるし、チャレンジ&カバーというのは試合前から気にしていなかった。お互いに分かっていたところかなと思う。ただ、2失点すると、今日は前に助けられたけど、苦しい展開になる。自分たちがリードしているときに、どういう展開にして守り抜くか。自分たちがもっとボールをキープするとかいろいろあるけど、そういうところを含めて見直していきたい」
―森脇との関係は柏でのSBの経験が生きた?
「柏で右サイドもやらせてもらっているので、サイドに入ったときの対応というのも分かっている。モリくん(森脇)が前に上がったところでの入れ替わりは、モリくんが声をかけてくれた。みんなで声をかけ合えたのが良かったと思う」
―大迫選手のゴールにつながる豊田選手への縦パスが良かったが?
「トヨくん(豊田)は前半からいい動きをしてくれていたので、そこの間のところは空いていた。ハーフタイムに、もう少し狙おうかなと思った。良いタイミングで付けられて良かった」
―サイドに開くのではなく縦を狙った?
「サイドは結構空いていたけど、それより前を狙う方がいいかなと。サイドがワイドに開くことで相手がつられたのが見えたので、中を選択した方がいいと思った。(齋藤)学とサコ(大迫)とトヨくんの距離が近くて真ん中に密集していたので、サイドに出してモリくんが1対1を狙うよりは多い方が良いのかなと。うまく得点につながって良かった」

●DF千葉和彦(広島)
「もったいない失点。2-0でいい感じでボールを回せていた。崩されたわけではなく、ロングボールからこぼれたところをやられた。もったいない」
―スタメンはいつ言われた?
「ミーティングで言われた。フレッシュなメンバーで行く分、モチベーション高く行けるし、自分も初めての代表。思い切って行こうと思った。勝ったけど、反省の方が大きい」
―2失点した時間帯は?
「相手がフレッシュなメンバーを入れてきて、前に前に圧力をかけてきた。そこでうまく対応できなかった。でも、短期間でこれだけ合わせられたことをポジティブに捉えたい」
―バイタルエリアにくさびがよく入っていたが?
「相手が対応できていなかった。サコ(大迫)のところが空いていたし、そこでおさまって前を向けば日本らしい攻撃ができていた」

●DF栗原勇蔵(横浜FM)
―また2点差から追いつかれたが?
「ああいう風に、あの時間で取られると、相手に勢いも出るし、こっちは精神的にもダメージが来る。2点リードでの1点の重みを今日も感じた。(齋藤)学がいいシュートを決めて、あのまま完封して勝ったら学がヒーローだった。(追いつかれたことで)かすんじゃったから」
―メンバーは直前まで分からなかった?
「本当に分からなかった。代えてくるだろうとは思っていたけど、さすがに全取っ替えは予想外だった。でも、みんなモチベーションが高かったし、やってみたらいい内容の試合ができた。それはよかったと思う。急造チームだけど、結果を出す、出さないで、周りの目も変わる。結果が一番だし、このチームで優勝して終わりたい。最後は完全アウェーだし、相手は韓国。気持ちの強さで負けないようにしたい」

(取材・文 西山紘平、矢内由美子)
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