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[MOM779]近大附DF吉野晃基(3年)_負傷欠場の兄のためにも…DFの要が完封勝利貢献

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.1 高校総体大阪府予選決勝リーグ第2戦 近大附1-0金光大阪 J-GREEN堺]

「初戦の阪南大高戦ではDFが不甲斐無い失点をしたけれど、今日は上手く修正してくれた。ほとんどシュートも打たれていないし、あの子らが修正できたのが勝因」と近大附・山田稔監督が褒め称えた守備陣の中でも、この日一番の活躍を見せたのが3バックの中央で壁となったDF吉野晃基(3年)だった。主将であるMF下田義起(3年)が「中学時代から良いと噂の選手やった。一緒にやってみても評判通りの選手。チームに知識も伝えながら、引っ張っていってくれている」と評したように1年時から出場機会を掴み、選手権にも出場。2年だった昨年はしっかりとレギュラーに定着した。

 最終学年を迎えた今年は「アイツが軸。オマエがしっかりしないと総体に行けないと言い続けてきた」という山田監督からかけられるハッパに加え、本人も「最上級生になってやらないといけないという思いがある。1年生で選手権にも出させてもらえて経験もあるし、僕が引っ張らないといけない」と自覚も出てきた。

 この日見せた、粘り強い守備と統率は貫禄すら漂うもので、「粘り強い守備が近大附の伝統。上手く受け継げていると思う」と成長にも手応えを感じている。

 そして、「チーム全体で走って絶対、福岡に行くんだって気持ちを出せたのが結果に繋がった」と勝因を分析する吉野には、負けられない理由もあった。双子の兄で同じく1年から出場機会を掴んでいたFW吉野竜生の存在だ。本来ならエースストライカーとして君臨するはずだったが、総体前に「第五中足骨疲労骨折」を患い、チームから離脱。総体予選に出ることが出来ない。双子が揃い踏みするためには全国に行くしかない。

 試合前にかけられる「頼むで」というシンプルな言葉の重みを誰よりも感じている。「今年の目標である全国制覇のためには、まずは全国行きを掴まないといけない。まず全国行きを掴んで、プリンスを含めレベルアップしながら取れる可能性を高めていきたい」。目標への一つ目のハードルを越えるためにはあと1勝。歓喜の輪の中心には彼の存在は欠かせない。

(取材・文 森田将義)
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