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[MOM785]比叡山DF間島達也(3年)_攻守に存在感を発揮した“近江の壁”

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.6 全国高校総体滋賀県予選準決勝 比叡山5-1膳所 布引運動公園陸上競技場]

 準決勝の膳所戦で攻守に渡って、大活躍したのは中学時代は無名の男、DF間島達也(3年)だった。
SAGAWA SHIGA FCジュニアユースに所属していた中学時代はトレセンにも選ばれない存在だったが、高校に入り、「しんどい練習を仲間と耐えられるようになったのが良かった」と精神的にたくましさを増したことで180cmの大型CBの才能が開花。国体選抜に選ばれ、チームでも早い段階で出場機会を得た。

 昨年の新人戦ではベスト4、選手権予選ではベスト8。彼を中心とした世代の成長とともに上昇気流に乗ったチームだったが、待ち受けた草津東・野洲という全国レベルの強豪の壁を乗り越えることは出来なかった。迎えた今年は歴史を変える、世間を沸かすという意味を込めてチームのスローガンを“一世風靡”と“全国で勝てるチーム”に選定し、飛躍を目指した。

 今年の新人戦こそベスト16止まりとなってしまったが、「これまではベスト4、ベスト8止まりやったが多かったんで、『やってやるぞ』という気持ちでやっていた」と口にしたように、準々決勝でこれまでずっと負けていたという難敵・草津東を3-2で撃破。「学校の人らにも驚かれたし、皆、予想外やったと思う」とまずは1度目の世間を沸かす結果を手にした。迎えたこの日、守備ではサイドを素早く攻める膳所の攻撃を冷静に抑えこみ、ビルドアップで組み立ての起点を担うなど後方のリーダーとして存在感を発揮。そして、攻撃でも前半29分にはCKを頭で折り返したボールが、MF藤林拓哉(3年)へと渡り、FW井上翔一朗(3年)の先制点を生んだだけでなく、33分には自らもゴールを記録。さらには35分にはまたもやCKから藤林のゴールを頭でお膳立て。3ゴールに絡む活躍を見せた。

 シュートブロックの際に足首をひねり、後半29分に途中交代するハプニングもあったが、次は待ちに待った決勝の舞台だけに、「痛くても絶対に出ます」と自らの手で全国行きの舞台を掴むことを誓う。存在感の高さはピッチ内だけではない。早崎義晃監督代行が「CBできちっとやってくれる。人としても信頼されているし、雑用も進んでこなしたり、普段の面でもしっかりしているので頼もしいです」と全幅の信頼を寄せている。草津東戦での勝利に続いての決勝進出に対しても「皆、驚く結果だと思う」と彼は微笑みつつ、決勝での驚きの結果ももちろん狙っている。今日の戦いぶり、彼のプレーを見れば、野洲が相手であっても、あと1回のサプライズがあっても何ら不思議ではない。

(取材・文 森田将義)
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