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[Y☆voice250]静岡学園DF手塚朋克「内容悪くて勝っても静学にとっては意味が無い」

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 高校年代の注目選手にその時どきの課題や目標について聞く連載企画「Youth star voice」。第250回目は静岡学園高DF手塚朋克選手(3年)です。

 静岡の名門・静岡学園の主将は1年時に全国総体準優勝を経験している攻撃的SB。運動量とスピードを武器にダイナミックなオーバーラップを繰り返す注目DFの今年の目標とは?(取材日:4月21日など)

―プレミアリーグの東京Vユース戦(4月21日)では十分にインパクトを残すプレーで勝利に貢献した
「前回の(青森)山田戦とかで甘さが出てしまって、その週の紅白戦では3本やって3本目で外されたり、凄い悔しい思いをしていた。今年キャプテンなんでチームを引っ張っていかないといけないし、勝つためにキャプテンがしっかりしてチームを引っ張っていかないといけない。それを意識して、自分のプレーが落ちたらチームのサッカーも悪くなると思ってやらないといけない。難しい試合も続くと思うので意識してやっていきたい」

―川口監督も悔しかったと思うと話していた
「3年目になってキャプテンとして、キャプテンで出られないとチームとしても痛いというか、キャプテンがもっとしっかりしないといけない。本当に悔しかったので、走りから絶対に負けないようにして、自分の力を精一杯出せるように準備してきたつもり。結果としてクロスも何本も上げられましたし、得点にはつながらなかったですけれど、周りに良いアピールができたと思うんで良かったです」

―安心して見ることができた
「去年はプレミアで強いチームと当たると慌ただしくて、クロスも5本以上上げられないという状態が多かった。今年はもっと落ち着いて自分から攻撃が始まる風にできたらいいと思った。そういう意味では自分がボールを持った時、落ち着いてチームがプレーできるように心がけています」

―前に出てくる力強さは先輩の伊東(幸敏、現鹿島)を見ているようだった
「幸敏さんのことも意識しているんですけど、幸敏さんは縦に速くて、ボクと幸敏さんとはタイプが違う。ただ、ボクもあそこまで速くはないですけど、スピードには自信がある。縦に抜けるドリブルとか、あの人と違うプレーができると思っている。修さん(川口監督)には『幸敏はそういうところでもっとクロスを上げていたよ』とか『ニアでそのクロスは潰されちゃダメだよ』とか、常に言われていたので、幸敏さんのことは意識しているんですけど、長友選手のように小さくても攻撃もディフェンスもできる、運動量もあってスピードも備えた選手になりたいと思う」

―東京Vユース戦はチームも凄く良い内容だった
「ヴェルディ相手にボールを回せたし、ディフェンスも今季初の無失点できた。みんなレベルは上がってきていると思うんですけど、静学のサッカーをやりきれていない。もっとつないで圧倒してやりたい。どんなチームでも圧倒してやりたいと思います」

―個々が自信を持ってやっていた
「今年はもっとボールをつなごうとか、周りを使ってペナ付近でボールを持ったら、ドリブルで仕掛けようという意識が統一している。その点、まとまっていると思います」

―プレミアリーグではエスパルスとヴェルディを倒した
「プレミアでは1回も勝ったことなかった。修さんにもヴェルディから初勝利だと言っていた。そこは自信をもっていいですけど、もっと上位に行けるように引き締めていきたい。こんなに全員で攻撃していると、ボールを失ってカウンターを食らうと負けてしまう。そういう部分が課題。もっともっと全員で修正していけば、もっとチームのレベルが上がると思う。今年1年通して選手権へ向けてもっとレベルアップして行きたいです」

―自分自身の今年の目標は
「世界のサッカーを見ていると、ジョルディ・アルバ選手みたいに裏を取ったり、運動量で圧倒したりするSBがいる。ああいう選手を目指していきたい。自分のサイドから自分のアシストで点を決めたり、アルバ選手とかSBでも点を決めている。点を獲れたり、アシストできたりするSBになっていきたいです」

―自分自身の武器は
「今、意識しているのは裏を取る動きとか、リスクを犯して、追い越す力とかをもっとつけていかないといけない。あとサイドで持った時、ひとりで打開してシュートを打ったり、アシストしたりできれば、もっとチームの攻撃パターンも増やすことができる。静学にはボクよりテクニックがある人がいっぱいいる。自分はテクニックがない方なので、見習って、静学来たからには少しでもテクニックをつけて打開できるようにしていきたいです」

―インターハイ決勝(対藤枝東)は後半は良かったが前半はチーム全体でミスが多かった
「エコパは芝が長くてつまるので、足の裏とか使う選手に影響した。チームは総体通して良くなっているけど、歴代の静学の一番強いチームのサッカーと比べればまだまだ。これからプレミアもある。修正していきたいです」

―選手権での日本一が目標だと思うが、インターハイもチャンスはある
「インターハイも凄く高いレベルで出来る。しかも連戦でキツイ中でできる。自分も1年生の時に経験しているけれど、凄く成長できるのは分かっています。内容悪くて勝っても静学にとっては意味が無い。内容も圧倒できれば、必ず結果も圧倒できると思うで、圧倒したい」

―チーム内での競争は激しい
「自分も2年生との時に(県大会の)決勝に出られたんですけど、変に自信を持ってしまっていて、軽いプレーが続いて、甘いプレーをして全国でメンバーを外れたので、今からキャプテンとして鼓舞していきたいと思います」

―川口監督は静岡代表として全国を戦うことがまた成長させると言っていた
「自分たちはテクニックで勝負することがモットー。静岡代表として悪い内容のサッカーをしても評価されない。静岡代表として静岡学園らしいサッカーをできればいい」

―4年連続で全国。伝統を守った
「正直プレッシャーを感じていましたし、みんな優勝に向かって結構硬くなっていた。でも自分は去年経験したよりもいいサッカーができていると思う。おっしゃった通り、1試合通して静学らしいサッカーができないのもあった。全国大会へ向けて常に圧倒できるサッカーをしていきたいです」

(取材・文 吉田太郎)
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連載:「Youth star voice」

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