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W杯イヤーへ決意 ハーフナー「今シーズン以上の結果を」

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 欧州挑戦2シーズン目を終え、日本代表としてコンフェデレーションズ杯にも出場したFWハーフナー・マイク(フィテッセ)。2012-13シーズンの前半戦は出場機会も限られていたが、後半戦に入ってレギュラーに定着すると、主にトップ下でプレーし、9ゴールを挙げた。シーズンを通して11ゴールと、欧州の主要リーグでプレーする日本人選手として史上4人目の2ケタ得点を記録。チームもアヤックス、PSV、フェイエノールトという3強に次ぐ4位でシーズンを終えた。W杯イヤーとなる来シーズンに向け、その決意を聞いた。

―今シーズンを振り返って、どんなシーズンでしたか?
「前半戦はあまり良い結果は出せませんでしたが、後半戦は2試合に1点のペースで点を取ることができていたので、これが来シーズンにつながればいいかなと思います。本当に成長できた1年だったと思いますね。監督もそうですし、スタッフの方々も自分に期待してくれて、アドバイスもしてくれました。その中で結果を残せたことは、自分でも良かったと思います」

―左ウイングやボランチで起用されることもありました。
「そうですね。1シーズンを通じて、本職のFWでプレーすることはあまりありませんでした。自分のポジションには今年の得点王(ウィルフリード・ボニー)がいましたからね。それで監督からは『お前は他のポジションもできるから試合に出ろ』と言われていたので、他のポジションで勝負しながら、自分の持ち味を出していこうと思っていました。やっぱり自分はFWなので、点を取りたいと思っていました。そういう意味では、後半戦はトップ下でしたが、そこでしっかりと結果を残せたことは良かったと思います。他のポジションを経験してみて、風景が違いましたし、プレーの幅も広がって、自分のサッカー人生にはプラスだったと思います」

―FW以外のポジションでも起用されるというのは自分の能力を認められたということで自信にもなった?
「他のポジションを経験することで技術面でも上達したと思います。監督が信頼して、そういう違うポジションで使ってくれたことは、確かに自信にはなりましたね」

―転機になった試合はありましたか?
「後半戦のアヤックス戦ですね。自分はゴールもアシストもなかったのですが、自分が試合に出て、チームが勝てたことで、その後もスタメンに定着できたのだと思います」

―同じポジションに得点王がいるという話でしたが、ボニー選手のプレーで参考になったことは?
「あのパワーはうらやましいですよね。自分がボニーのようなパワーを付けたいと思ったら、(ウェイトが重くなって)完全に体が遅くなってしまうと思うので、それは意味がないし、参考にはなりませんが……。でも、自分のチーム、同じポジションに得点王がいるというのは、悔しい反面、『コイツすごいな』と思いましたし、負けたくないという気持ちはありました。彼がいたことで自分も成長できたと思います。でも、やっぱり彼のプレーはマネできないですね。タイプも全然、違いますし。体の使い方であったり、パワーで無理やり抑えるところもあったりしましたが、そういう体をうまく使うところは、自分もモノにできたらなと思います」

―シーズン終盤まで優勝争いができた経験はいかがでしたか?
「とても良い経験でしたが、個人的にも、チーム的にも悔いが残る1年だったと思います。首位のアヤックスをはじめ、フェイエノールト以外には上位相手に全部勝てていたので。下位のチームを相手に取りこぼしをしていなかったら、どうなっていたんだろうって。VVVフェンロに2敗、AZ戦やRKC戦……。下位のチームに取りこぼしていなかったら優勝も見えていた。優勝したアヤックスに唯一、2回勝ったのがフィテッセだったので。アヤックスも、その2敗しかしていませんし、もったいないかなと思います」

―すごい躍進という感じがしたのですが、悔いの方が強いんですね。
「そうですね。やっぱり、そういう上位の強いチームに負けていなかったのだから、なんか逆に『下位のチームには簡単に勝てるだろう』という慢心がチームにあったんだと思います」

―そこは来季につなげたいところですね。
「でも、今シーズンとはだいぶメンバーが変わってくると思うので、どういう1年になるのかなという感じですね」

―ヨーロッパリーグの予選3回戦からの出場権も獲得しました。
「今季は予選3回戦でアンジに負けたので。やっぱり差を感じましたし、本戦に出たいのでクジ運が良いことを祈っています(笑)」

―来季はボニー選手に移籍の噂もありますし、センターフォワードで出る機会も増えそうですね。
「センターフォワードで出たいですね。センターフォワードで出られたら、それなりの結果を出さないといけませんし、今シーズン以上の結果を求められると思うので、頑張りたいです」

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(取材・文 河合拓)

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