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[MOM859]市立船橋MF藤井拓(2年)_名門一の成長株、上級生もコントロール

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.19 全国高校選手権千葉県予選決勝T1回戦 市立船橋7-0東邦大東邦 グラスポ法典公園]

「彼の知的さはチームにとって欠かせないですし、この一年で一番伸びたんじゃないですか」。就任3年目ですでに全国高校選手権と全国高校総体を制している市立船橋・朝岡隆蔵監督が成長株として認める存在が2年生MF藤井拓だ。この日はやや実力差のある相手との対戦で、精神面の難しい試合だったが、藤井はボランチの位置でチームを上手くコントロール。指揮官も彼の気の利くプレーとリーダーシップについて讃えていたが、「チームを引き締めたり、まとめたりすることは誰かがやらないといけないと思っているので、それを自分がやろうと思っている」という2年生はチームをしっかりと快勝へ導いた。

「(立ち上がり、チーム間では)ちょっとのミスで厳しく言っていたり、点とんなきゃみたいな感じになっていたけれど、落ち着いて自分たちのペースでやればいいかなと思っていた」と藤井。初戦ということもあってやや掛かり気味になってしまっていたチームを声で落ち着かせつつ、「相手が全然ボランチに(プレッシャーをかけて)来ていなかったので、チャンスがあったら打っていこうと思っていた。(スタッフからも)『ミドルは決められる選手になって』と言われている」と、チャンスがあれば積極的にゴールを捉えるミドルシュートを打ち込んでいた。

 SBの攻め上がりを特長とする攻撃的なチームにおいて藤井はボランチでのリスク管理が大きな仕事。その役割を完遂した全国高校総体では、中盤で対人の強さを発揮して潰し役を務めながらも、サイドやCBのカバーリングを的確にこなすなど存在感を放った。攻撃力の高い先輩アタッカー陣を上手くサポート。「前の4枚はみんなイメージを持っていて合わせてくれるので、自分は4枚がミスった時に奪い返し、それをもう1回自分たちの2次攻撃につなげられるようにすること。また(自分のところへ)バックパスが入った時にダイアゴナルに走っている(サイドの横前)裕大さんの動きとかは見逃さないように気をつけている」。守備面での期待が大きいが、試合の中ではミドルレンジからの正確なパスも狙い続け、また左右両足から放たれる強烈なミドル弾を磨いてチームの勝利により貢献するつもりでいる。

 日本一に貢献した全国総体だったが、決勝は累積警告のため出場停止だった。それだけに「もう1回選手権でも活躍して、全国へ行って、また全国でやれたらいい」。キャプテンシー溢れる2年生MFが陰で夏冬連続日本一の立て役者となる。

(取材・文 吉田太郎)
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