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[MOM861]國學院久我山FW松村遼(3年)_受験勉強と両立のFW、チーム全得点の2戦4発

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.20 全国高校選手権東京都Bブロック準々決勝 暁星1-2國學院久我山 駒沢第2]

 迷惑をかけた分は自分で取り戻す。國學院久我山のFW松村遼(3年)は、1-1の延長前半6分、カウンターから右サイドを駆け上がったFW飯原健斗(2年)のラストパスに走りこむと左足で決勝ゴールを叩き込んだ。この日は前半20分にも左サイドから切れ込んで右足で先制ゴール。1回戦の駒場戦でもチームの全2ゴールを挙げていた松村が、2戦4発の活躍でチームを8強へ導いた。

 左サイドから繰り出すドリブル、シュートが武器。ポゼッションスタイルのチームの中で貴重な突破口を務めるドリブラーだ。この日も“裏街道”で左サイドを打開し、足技からPAへ潜り込むシーンもあった。「最後のキレ、スピードとシュートをもっている」と松村を評価する李済華監督も「彼で勝たせてもらっているけれど、(受験勉強のために)コンディションはあまり良くない」という。進学校の國學院久我山で特進クラスに籍を置く松村は受験勉強とサッカーを両立させているが、最近は睡眠時間5時間ほどの日が続き、大会前は「コンディション調整が上手くいかなくて、チームに迷惑をかけていた」と振り返る。

 普段から他のチームメートが15時45分頃から練習をスタートさせる中、松村は授業がひとつ多いために16時30分頃にチームに合流している。チームメートと練習できる時間はただでさえ少ない。それでもコンディションを崩したことで、睡眠時間を6時間確保するように調整。まだ万全ではないが、それでも思いをプレーで表現してチームに恩返しした。「(自分自身の武器は)縦にドリブル突破したり、点決めたりすることなんで、それが最近出来ていなかった。でも選手権になってからそういう持ち味がまた発揮できてきている。この選手権は自分が決めて、勝ちたいと思っていた。そういう気持ちの強さがこういう結果につながったと思います」と頷いた。
  
 昨年、チームは準決勝で修徳に敗れて全国進出を逃している。敗戦の悔しさをピッチで味わった松村は「去年修徳に負けて、何もできなくて悔しい思いを人よりも持ってきた。また同じ思いはしたくない」。サッカーでの夢は選手権で日本一を勝ち取ること。まずは3週間後に行われる準決勝に万全の状態で臨み、結果を残すだけだ。  
 
(取材・文 吉田太郎)
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