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[MOM865]盛岡商FW根子裕将(2年)_名門の10番背負う技巧派ストライカー

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.23 全国高校選手権岩手県予選準々決勝 盛岡北0-6盛岡商 盛岡南公園球技場A]

 個性的な選手の多い盛岡商の中で、この日特に印象的だったのが10番のFW根子裕将(2年)とダイナミックな動きとボールタッチが安定していたMF千葉秀平(2年)。中でも千葉は2得点2アシストという結果を残してチームの4強進出に貢献した。

 細身で身長は175cmと決して大柄でなく、パワーで押すタイプでもない。ただワンタッチのパスやアウトサイドキックでの展開、ループパスなど技術とアイディアを発揮しながら、自らも鋭い動き出しからゴールを奪う技巧派のストライカーだ。前半7分には千葉の左クロスにニアサイドへ飛び込み、難しい体勢のシュートを右足ダイレクトで決めて先制点。23分には中央からの絶妙なループパスで千葉のゴールをアシストすると、30分には右サイドを抜け出したMF滝野潤(3年)のラストパスにDFを振りきって飛び込んで2点目のゴールを決めた。

 さらに37分には左サイドでのワンタッチでのスルーパスでFW大澤玲央(2年)のゴールの起点となると、後半6分にはFW遠藤陸玖(1年)のゴールをアシスト。「2得点決められたのは良かったです。クロスに対する動き出しで2点とも決められた。上げてくれた人も凄くいいボールを上げてくれた。動き出しがきょうは良かったですね。(またアシストは)サイドの選手が凄く足が速かったり、テクニックがあったりする。その人たちを活かすパスを出すようにしたい」と微笑んだ。それでも「決められるところをしっかり決められるようにしていかないと強いチームになった時に通用しない。まだ(準決勝、決勝まで)日にちがあるので、もっとこだわってやっていきたいです。きょうも(シュートを)何本か打っているんですけど、全部は決められていない。打つならば全部決められるように。強い相手だったらワンチャンスをものにしないといけない。10本打って10本決められるようにしたい」と力を込めた。

 2年生ながら10番を背負う根子について太田浩史監督は「間違いなく一番点を取る雰囲気があるのはアイツ」と期待を寄せる。プリンスリーグでは一時期先発を外れる時期もあったが、本人は「動き出しのところで、連続してプレーができなかったり、ボールを受けた時にすぐ失ったりしていた。10番を付けさせて頂いている。恥のないプレーをしたい」と課題に取り組み、成長を遂げてきた。現在の目標は10番としてチームを全国へ導くこと。「今年、国立が最後なので、3年生と一緒に今のチームで行きたいなという強い思いがある。後ろで守ってもらっている分、前でしっかり仕事して、ひとつひとつ勝ち取ってまず全国出場を決めたい」。1、2年生8人が先発するチームのエースは3年生への感謝のためにも期待に応える。

[写真]前半7分、先制ゴールを決めた盛岡商・根子がゴールを喜ぶ

(取材・文 吉田太郎)
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