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[MOM866]不来方FW北遼光(2年)_“もってる”FWの劣勢覆す2発

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.23 全国高校選手権岩手県予選準々決勝 盛岡市立1-3不来方 盛岡南公園球技場B]

「(きょうなんて得点シーンまで)アイツ、何もしていないですけど。一発があるから使っている」と不来方の進藤祐一監督は苦笑いしながら話したが、その「一発」をチームのピンチで2度も決めたFW北遼光(2年)がこの日のヒーローだった。

 前半を0-1で折り返した不来方は後半から本来のポゼッションスタイルで攻撃を組み立てていくが、決定的な一打を放つことができなかった。それでも15分だ。左サイドを抜け出したFW大沼孝生(3年)がPAまで切れ込んで左足を振りぬく。このシュートがゴール前にこぼれると、北がクリアしようとするDFよりも一瞬早くゴールヘ押し込む。

 前半シュートわずか1本に終わっていたチームを蘇らせる同点弾。左手の拳を突き上げて喜んだ背番号9はさらに29分、自陣からのフィードをMF中川耕太郎主将(3年)が頭で後方へそらすと、素晴らしい動き出しでボールに反応する。そしてDFとGKの間に落ちたボールを右足ダイレクトで合わせるとシュートはGKの頭上を越えてゆっくりとゴールヘ吸い込まれた。

 1-1に追いついた後も、相手の方がチャンスを作り出していた。その劣勢を再び覆す貴重なゴールだった。ミスでボールを失う場面もあったが、前線で身体を張り、守備での迫力のある追い込みなど力強く、献身的な動きを続けていたFWが決めた二発。「彼にはああいうのがあるんですよ」と指揮官も讃えるしかなかった“もってる”男の決定力が、チームを4強へ導いた。

[写真]後半15分、不来方はFW北(右)が同点ゴール

(取材・文 吉田太郎)
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