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[MOM889]神戸弘陵MF長谷川覚之(3年)_チームを勝利に導いたドリブラー

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.10 全国高校選手権兵庫県予選決勝 神戸弘陵1-0神戸国際大附 ノエスタ]

 高い位置からプレスをかけてコンパクトなサッカーを分断させようとする神戸国際大附の狙いにハマり、苦しんだ神戸弘陵だったが、MF長谷川覚之(3年)がボールを持つ度に大きく流れが変わった。彼をMOMに選ぶ事に異論の声を挙げる人はきっといない。決勝という大舞台を物ともせずにピッチを優雅に踊り続けた。

「ボールが滑っていたんでやり難かった」と序盤はスリッピーな芝に手を焼きながらも、
足元にボールが入れば、ドリブルで左サイドを切り裂くだけでなく、中央に侵入するなどピッチを縦横無尽に駆け回り、チャンスを狙い続けた。前半37分に左サイドでボールを受けると、中央とのワンツーでPA左に走り込んで強引にシュートを狙うなど、思い通りのサッカーが出来なかった神戸弘陵攻撃陣の一筋の光であり続けた。

 そして、「前半を0-0で終えて、後半は自分たちのサッカーをしようと狙っていた」という後半は22分に後方から配給されたパスでゴール前に抜け出し、GKとの1対1に持ち込むビッグチャンスを迎えたが、得点には至らず。チャンスを作るも1点が遠い苦しい時間が続いたが、29分についにスコアボードを動かした。

 左サイドでボールを持ったFW毛利将宏(3年)からパスを受けると、「ファーストタッチが上手く行った」と一気にドリブルで加速し、PAに侵入。勢いの余りラインを割りそうになったが、「トラップをしたら外に出ると思ったので、中も見えてなかったので、ボールを上げた。自分で行きたかったけど、仲間を信じて良かった」とゴール前に上がった低いクロスをFW菅優介(2年)が頭で合わせ、ゴールを奪った。

 今年はエースナンバーである背番号10を背負う長谷川の高校生活は、あと一歩で涙を飲み続けた弘陵と同じく悔しさに溢れたものだった。1年生だった一昨年は大会登録の25人枠には入ったものの、試合のメンバー登録入りは果たせず。2年生だった昨年はスタメン出場を果たしたが、決勝で滝川二に1-4と大敗を喫した。

「このピッチにもう一回、立って、自分たちのサッカーをして勝つのが目標だった」という今年は、「緊張はなかった。いつも通りのプレーを心掛けていた。3年連続なんで、今年こそはという思いは誰よりも強かった」と自慢のドリブルで前線を活性化し、勝利の立役者となった。憧れだった全国の舞台についに足を踏み入れるが「不安はない。弘陵のサッカーを全国の皆に見せつけるだけ。自分たちのサッカーをやれれば、全国でも勝てると思っている」と気後れはない。弘陵らしさを体現するために、全国の舞台でも躍動を続けるつもりだ。

(取材・文 森田将義)
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