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一人3役で"日本キラー"完封、今野をザックも絶賛

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[6.4 W杯アジア最終予選 日本1-1オーストラリア 埼玉]

 “日本キラー”を完封した。日本代表DF今野泰幸(G大阪)が“一人3役”で奮闘した。CBで先発し、過去の日本戦で何度となくゴールを決めてきたFWティム・ケーヒルをマーク。アジアでもトップクラスの空中戦の強さを誇るエースを相手に体を張って対抗し、ゴールを許さなかった。

「日本がよかったから。攻撃のリズムがよかったから、守備もやりやすかった」。あくまでチームとしての内容がよかったとチームメイトを称えるDFリーダーだったが、その働きぶりにはアルベルト・ザッケローニ監督も称賛を惜しまない。

「今野はケーヒルのマークという一番難しい役割を担っていた。ケーヒルは素晴らしい選手で、彼のこれまでの実績は説明する必要もないだろう」。そう指摘した指揮官は「そこを抑えてくれた。みんなよくがんばっていたし、途中から入った栗原もいい出来だったが、その中でも今野は見事な仕事をしてくれた」と絶賛した。

 後半35分、FW前田遼一に代わってDF栗原勇蔵が入ると、今野が左SBにスライドした。チームは直後に失点。同40分にDF内田篤人がベンチに下がると、今度は右SBにポジションを変えた。

「驚きはあった。練習も全然していなかった」。今野自身、驚きを隠せないポジション変更だったが、落ち着いて対応。「交代するのではなく、自分をそのまま使ってくれるのはうれしいし、スッと入れた。自分がオーバーラップして、えぐってクロスを上げるというのは求められてないと思うし、できない。守備のバランスを考えながら、前のうまい選手に当てようと思った」。終盤は目まぐるしく選手が入れ替わりながら同点ゴールを手繰り寄せたザックジャパン。最終ラインでユーティリティー性を発揮した今野が、陰の立役者だった。

(取材・文 西山紘平)

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