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柿谷、工藤がA代表デビュー弾も…中国に2点差追いつかれドロー発進

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[7.21 東アジア杯 日本3-3中国 ソウル]

 日本代表は21日、東アジア杯初戦で中国代表と対戦し、3-3で引き分けた。前半5分にPKで先制を許したが、同33分にDF栗原勇蔵のゴールで追いつき、後半14分にFW柿谷曜一朗がA代表デビュー弾となる勝ち越しゴール。同16分にも柿谷のアシストからFW工藤壮人が同じくデビュー戦で初ゴールを決め、3-1と突き放した。ところが後半36分、再びPKで失点すると、同42分に痛恨の3失点目。2点リードを守り切れず、3-3の引き分けに終わった。

 日本は柿谷、工藤、MF高萩洋次郎、MF青山敏弘、MF山口螢、DF森重真人の6人が先発でA代表デビューを飾った。栗原は6月22日のコンフェデレーションズ杯最終戦・メキシコ戦に続く連続先発となったが、DF駒野友一は5月30日のブルガリア戦以来、GK西川周作は昨年2月24日のアイスランド戦以来の先発。DF槙野智章は途中出場した昨年8月15日のベネズエラ戦以来の出場で、先発は西川と同じくアイスランド戦以来、約1年5か月ぶり。FW原口元気は途中出場でA代表デビューした11年10月7日のベトナム戦以来、国際Aマッチ2試合目の出場で、先発は初となった。
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 先発11人中、A代表初選出が4人で、A代表デビューは6人、A代表初先発は7人。国際試合の経験不足で浮き足立ったか、開始早々にミスから失点を招いた。前半4分、駒野が抜かれて日本の右サイドを突破されると、中途半端なクリアを拾われ、PA内に切れ込んできたFWユ・ターパオを栗原が倒してしまい、PKを献上。これをMFワン・ヨンポに決められ、立ち上がり5分で1点ビハインドを負った。

 わずか2日間の練習で臨んだ急造チーム。攻撃ではなかなか連動性が生まれず、1対1での球際でも中国の気迫に押された。前半15分には今大会のキャプテンを任された駒野が単純なトラップミスを犯すなど落ち着かない。前半19分、高萩が右サイドにスルーパスを通し、工藤のクロスに原口が右足ボレーで合わせたが、GKの正面。ようやくチャンスらしいチャンスをつくったが、その後も中国を攻めあぐねる展開が続いた。

 こう着状態を打ち破ったのは、今回のメンバーでは経験値でまさる栗原だった。前半33分、高萩の左CKから相手のクリアがゴール方向にこぼれると、工藤がヘディングでゴール前に折り返す。これを栗原が豪快なダイビングヘッドで捉え、ゴールに押し込んだ。PK献上の汚名を返上する同点弾。昨年6月12日のオーストラリア戦以来となる栗原の国際Aマッチ3得点目で試合は振り出しに戻った。

 なかなか安定しない日本の守備陣は前半42分にも決定的なピンチを招いた。栗原が右サイドに引き出されたところで中央にパスを通されると、FWガオ・リンは山口を背負いながらスルーパス。日本の右サイドから走り込んできたユ・ターパオにマークが付き切れず、至近距離からシュートを打たれたが、西川がかろうじてボールを弾き出した。

 1-1で折り返した後半も攻撃がかみ合わない日本はなかなかフィニッシュまで持ち込めない。後半12分、原口の右足ミドルはゴール上へ。ジリジリとした展開が続く中、期待の柿谷が魅せた。後半14分、セカンドボールを拾った青山が左サイドに展開。オーバーラップした槙野が左足ダイレクトで折り返すと、ゴール前に飛び込んだ柿谷が頭でそらし、ゴールに流し込んだ。

 A代表デビュー戦初ゴールは10年1月6日のイエメン戦でハットトリックを達成したFW平山相太以来、約3年半ぶりの快挙で、史上26人目。さらに2分後の後半16分、高萩から左サイドでパスを受けた柿谷がドリブルで中に切れ込む。DFを引き付けながら振り切り、ゴール前に柔らかいタッチでスルーパス。完全にフリーで待っていた工藤が落ち着いて右足でGKの脇を抜き、3-1とリードを広げた。工藤も史上27人目となるデビュー戦ゴールを記録した。

 日本は後半21分、青山に代えてMF高橋秀人を投入。同27分には原口に代わってFW齋藤学が入り、国際Aマッチデビューとなった。そのままいい形で試合を締めくくりたい日本だったが、中国の反撃に押され、後半35分、ワン・ヨンポのミドルシュートがクロスバーを直撃。ゴール前に跳ね返ったボールに競った駒野がFWチャン・シチェに対するファウルを取られ、この試合2本目のPKを与えてしまった。これをワン・ヨンポに決められ、3-2。残り10分を切ったところで1点差になった。

 勢い付く中国に押し込まれる日本。後半40分にはクロスからDFチャン・リンペンに左足ボレーで打たれたが、シュートは西川の正面を突き、難を逃れた。ところが、後半42分、日本の右サイドからのクロスボールに逆サイドから走り込んだMFスン・ケーに豪快な右足ボレーで合わされ、3-3。失点シーンでスン・ケーに前に入られた栗原はその直前に治療のためピッチを離れており、この場面では槙野とポジションを入れ替え、左SBの位置に入っていた。一瞬の守備の乱れを突かれ、3-3の同点に追いつかれた。

 日本は失点直後の後半43分、柿谷に代えてA代表デビューとなるFW大迫勇也を投入し、最後の交代カードを使った。わずかな時間で勝ち越しゴールを目指したが、ロスタイム5分間でも得点を奪うことができず、そのまま3-3で終了。初戦で白星を飾れなかった日本は25日の第2戦でオーストラリアと対戦する。

(取材・文 西山紘平)

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