beacon

柏がホームの第1戦で4点を献上…リッピ率いる中国王者・広州恒大に大逆転負け

このエントリーをはてなブックマークに追加

[9.25 ACL準決勝第1戦 柏1-4広州恒大 柏]

 AFCチャンピオンズリーグ(ACL)は25日、決勝トーナメント準決勝第1戦を行った。初のベスト4入りをはたした柏レイソルはホームの日立柏サッカー場で、中国王者の広州恒大と激突した。試合はいきなり動く。前半10分にMFジョルジ・ワグネルが直接FKを沈め、柏が幸先良く先制。1点ビハインドのまま後半を迎えた広州恒大は、一気に攻勢に出ると、13分にFWムリキ、22分にMFダリオ・コンカのゴールで逆転。さらに、37分にダリオ・コンカ、アディショナルタイムにはムリキに2点目を挙げられ万事休す。ホームでの第1戦を1-4で落とす厳しい状況下で、来月2日に広州で行われる第2戦を迎えることとなった。

 無敗(6勝4分)で勝ち進む柏は、布陣は中盤の底にアンカーを置く4-1-4-1。MF大谷秀和が出場停止となったほかは、18日に行われた準々決勝第2戦アルシャバブ戦と同じ11人が先発した。

 決勝トーナメントに入ってから4戦全勝の広州恒大を率いるは、06年W杯優勝監督の名将マルチェロ・リッピ。脅威の外国人トリオ、MFダリオ・コンカ、FWエウケソン、ムリキは揃ってスタメンに名を連ねた。

 平日夜、しかも悪天候での試合となったが、柏側のスタンドは黄色く染まり、今季のスローガンである「柏から世界へ」のボードが掲げられた。対する広州恒大もサポーターを乗せた大型バスが何台も乗り入れ、広州恒大ゴール裏を赤く染めた。

 サポーターの大声援に押されるように両チームとも積極的な入りをしたゲームは、ホームの柏がスコアを動かす。前半10分、ジョルジ・ワグネルがPA内にボールを送ると、ボールはFWクレオ頭上を通過してそのままネットに吸い込まれ、柏が幸先良く先制する。

 先制を許した広州恒大は、外国人トリオを中心に反撃。1タッチ、2タッチのパス交換でアタッキングサードに侵入し、中央とサイドを使って柏ゴールに迫る。23分には中央を突破したムリキがGKと1対1を迎えるが、シュートはゴールポストを叩き、柏は難を逃れた。続く27分にはゴールほぼ正面で得たFKからエウケソンがブレ球シュートで柏ゴールを強襲するが、GK菅野孝憲がパンチングで弾きゴールを許さない。

 1点リードした柏は、前がかりになる広州恒大を固い守備で封じると、少ない人数で反撃に出る。35分、ジョルジ・ワグネルのクロスをFW田中順也が太ももでトラップすると、GKの至近距離からシュート。これはGKフアン・ジャチアンが足先になんとか当ててピンチを防いだ。柏は前半終了間際にも再びチャンス。田中のクロスをクレオが頭で捉えるが、シュートはクロスバーを越えていった。

 後半に入ると両軍ともパスミスが目立ち、攻守の切り替えが多い展開になる。すると、後半13分、DFスン・シアンのクロスはDF近藤直也が先に触るが、ボールはPA中央にこぼれてしまう。これをムリキが豪快に蹴り込み、広州恒大が同点に追いつく。

 失点直後にMF茨田陽生に代えて、フィジカルに優れたMF谷口博之を投入した柏。前半とは打って変わり、ミスから攻撃の芽を潰していたが、21分にCKのチャンスを得る。ジョルジ・ワグネルの左CKをファーサイドでDF鈴木大輔がヘッド。シュートはゴールマウスを捉えたが、広州恒大DFにゴールライン上でクリアされ、勝ち越し点を奪えない。

 すると1分後には広州恒大が柏ゴール前まで持ち込み、エウケソンがミドルシュート。柏DFに当たって跳ね返ったボールをダリオ・コンカが拾うと、PA外から左足を振り抜きアウェーの広州恒大が逆転に成功する。

 後半33分、柏は疲れの見えていたクレオに代えて、機動力に優れたMF澤昌克を入れて2点目を取りに行く。しかし、反撃に出ようとする柏の出鼻をくじくように、同37分にダリオ・コンカのCKがそのままネットを揺らし、痛い3点目のアウェーゴールを許してしまう。アディショナルタイムには、ムリキにこの日2点目を奪われ、スコアは1-4に。

 1点でも返して少しでも第2戦を有利な状況で迎えた柏だったが、反撃及ばず痛恨の逆転負け。アウェーゴールを4点献上してしまった柏は、敵地で行われる次戦で最低でも4点が必要な苦しい状況に追い込まれた。

(取材・文 奥山典幸)

▼関連リンク
ACL2013特集ページ

TOP