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サポーターの止まぬ声援に勝利を誓う柏FW工藤「選手が下を向いてはいけない」

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[9.25 ACL準決勝第1戦 柏1-4広州恒大 柏]

「勝負を分けたのはうちのミス」。FW工藤壮人による1-4の敗戦の分析だ。「ミスを逃さないのは、さすがに相手のほうが上。勝負を決める選手の質が出た試合」。1点リードしてからもチャンスをつくっていた柏だったが、決定機を決めきれない。一方、柏が警戒していた広州恒大のMFダリオ・コンカ、FWエウケソン、FWムリキの外国人トリオは、前半こそ沈黙したが、後半にギアを上げるとあっさりとゴールを陥れて、コンカとムリキで4得点。DF鈴木大輔の言うように「崩されたわけではない」が、個の力で試合を決められてしまった。

 今季の公式戦で24得点を挙げている工藤だが、この日はゴールが遠かった。広州恒大の左サイドバックが積極的に攻撃参加するため、右のサイドハーフの工藤はその対応に追われた。攻めてもサイドで起点になることが多く、ゴール前に顔を出した回数は少ない。シュートもわずか2本だった。「チームに求められていることはゴールですし、取れなかったのは非常に悔しい。動きの部分については悪くなかったと思いますが、ここまできたら結果に目を向けなければいけない」。エースストライカーとしての責任を果たせなかったことを悔やんだ。

 1-4という厳しい結果を突きつけられた柏。しかし、スタジアムを埋めた黄色いサポーターは、試合後、選手を温かい拍手で迎えた。決勝進出には敵地で4点以上を奪うという過酷なミッションが課せられているが、「柏から世界へ」のチャントを選手に送っていた。「サポーターの手拍子・声は選手に届いていますし、諦めたくなるスコアでもこれだけ残って応援してくれている。選手が下を向いてはいけない」。選手と同じくらいACL制覇に懸けるサポーターのためにも、必勝を期していた。

「準決勝まできて失うものはない。より攻撃的にいって、相手にぶつかっていきたい」。リーグで首位を行く堅守・横浜FMを4-0で粉砕した7日のナビスコ杯準決勝第1戦の再現へーー。不屈の背番号「9」の爆発がそのカギを握っている。

(取材・文 奥山典幸)

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