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[MOM194]専修大DF本名正太朗(3年)_代役CBが守備の柱に

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2012年度第36回総理大臣杯全日本大学トーナメント
[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[7.12 総理大臣杯準々決勝 専修大0-0(PK3-2)中京大 J-GREEN堺メインフィールド]

「インカレはもどかしい気持ちでずっと外から見ていた。今回は自分の力で日本一になりたいという気持ちを持っていた」。専修大の背番号29、CB本名正太朗(3年=川崎F U-18)が悔しさをピッチでぶつけてチームを4強へ導いた。

 専修大は1回戦で全日本大学選抜CB栗山直樹(4年=清水東高)が左ひざを負傷、2回戦では前半20分に大黒柱のCB鈴木雄也主将(4年=武相高)が退場処分となり、この日は主力のCB2人を欠く緊急事態。だが、1回戦の前半途中からCBでプレーする本名がその危機を救った。カウンター狙いの中京大の速攻に対して落ち着いた対応。インターセプトが得意でボール奪取能力に優れた本名は相手のカウンターを確実に阻止すると、エースの中村亮太に対しては冨田将司(1年=三菱養和SCユース)とのコンビでスペースを与えず、空中戦も制していた。

 そして110分間を無失点に抑えて役割を達成。源平貴久監督もマン・オブ・ザ・マッチに推薦し、そのプレーを高く評価していたが、主力の離脱によって守備陣が崩壊しかねない状況のなかで3試合310分間(ボランチで出場した時間を含む)1失点と本人も自信をつけている。「CBはずっとメインでやってきたのでポジション自体には慣れている。これが逆に良かった。(4年生が不在だったが)自分が引っ張らないといけないと思っていた。きょうは9番(中村)の裏のケアに特に気をつけて、一本のパスに対しても集中していた」と納得の様子だった。

 昨年は20歳以下の全日本大学選抜メンバーの一員としてイタリア遠征を経験。チームにとっても期待の戦力だったが、後期関東リーグ戦開幕直後に右ひざを負傷してその後の出場はなし。チームが関東制覇、日本一になる姿を悔しい思いで見つめていた。そして今年に入って手術を敢行。復帰した関東リーグ戦前期は波があり、ポジションを確保することができなかった。個人としてもチームにとっても納得するプレーができなかった。それでも総理大臣杯へ向けて体のキレが向上すると、初戦はボランチとして先発出場。栗山が負傷した後はCBとしてその穴をしっかりと埋めている。

「前は力がある。後ろはしっかりとケアできればいい」。次のターゲットは準決勝の駒澤大。強力攻撃陣を最終ラインから支えて「今回は自分の力で日本一になる」ための王手をかける。

(取材・文 吉田太郎)
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