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[MOM201]筑波大FW上村岬(3年)_アシスト量産の全日本選抜が技ありV弾

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[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.20 関東大学リーグ1部第17節 筑波大 2-1 東京学芸大 味スタ西]

 リーグ2位の12アシストを記録している全日本大学選抜アタッカーが、この日は決勝ゴールで筑波大に勝利をもたらした。1-1の後半36分、FW上村岬(3年=磐田ユース)は右中間でボールを受けると、DFとの1対1から相手の股間を射抜く右足シュート。シュートコースを消した相手に対して、上村はわずかに右寄りにボールを動かしてシュートコースをつくり出すと、そのわずかな間を見事に射抜く高精度の一撃で試合を決めた。

「久しぶりに点を取ったので、どう喜んでいいか分からなかった。今まで『アシストしたい、アシストしたい』という思いが強すぎた。きょうは点取っても、アレっという感じでした」と苦笑いした上村だったが、ゴールに加えて危険なラストパスを何度も通すなど、試合を通して存在感を放ち続けていた。「自分が前に入って身体張ってあげないといけない、と思っていたので、蹴られても何しても頑張んなきゃいけないなと思ってやりました」。腿裏の痛みを抱えている中での試合だったが、身体を張ったボールキープでもチームに貢献をしていた。

 磐田ユース時には10番を背負って全日本ユース(U-18)選手権準優勝に導き、筑波大進学後も下級生時から全国舞台を経験。左右両足からの正確なキックを武器にこれまでボランチ、トップ下で存在感を放ってきた選手だが、チーム事情もあって現在はFWでプレーしている。それでも前線に入ったことで。より得点に絡む特長を発揮。「前に置いていてくれた方が結果は出せるかなと思うし、得点に絡むところが自分の長所だと思っているので、そこを出せていけたらなと思っています。(また、)後ろでボールを持てるようになっているので、自分が前でボールを持てればもっと楽になるんじゃないかなと思っている。中学の時もずっとFWだったので、連動した動きだったり、守備の部分は分かっている。今のみんなに合わせてタイミング良く下がってあげたり、2列目から飛び出してみたり、リズム作っているつもりです」。

 3連敗した後は強い危機感をもってコーチに意見し、ミーティングを開いてチームをひとつにした。3年生だが、チームリーダーのひとりとして先導役となっている。「今までのチームと変わったな、と思うのは試合の中でしゃべるようになった。みんながコミュニケーションを取っている。ロッカー内でも雰囲気がいいですし、自分がそういう中で先導して動いてあげたり、しゃべっていくことでチームがどんどん良くなっていくというのを感じている。試合の中での技術、プレーはもちろんなんですけど、恥ずかしがらずに自分が先へ、先へと動いていけたらなと思っています」。技術の高さに疑いの余地はない。ただ、よりチームに貢献できることを上村自身も感じている。現在暫定6位の筑波巻き返しのキーマン。上村が技術、精神面でもチームを勝たせる存在となる。

(取材・文 吉田太郎)
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