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[MOM203]早稲田大FWFW富山貴光(4年)_リーグ戦ラストプレーでPK沈めたストライカー、インカレでの集大成を期す

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[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.25 関東大学1部第22節 早大3-1日体大 味フィ西]

 2-1と早稲田大リードで迎えた後半ロスタイム。FKを獲得した早大はMF島田譲(4年=鹿島ユース、ファジアーノ岡山加入内定)がボールをゆっくりセット。ラストプレーに集中し、試合を締めにかかった。だがゴール前に蹴り入れると、相手DFと競り合ったFW富山貴光(4年=矢板中央高)が倒されPKをゲット。「どこを狙うというよりは思い切り蹴ってやろうと思っていた」。自ら得たPKを豪快に左隅に突き刺し、ダメを押す得点を奪ってみせた。

 後半24分から登場した富山は直後のプレーでイエローカードを貰うなど、リーグ最終戦に気合が入っていた。「この前の試合、専修戦で勝つことが出来なくて、優勝の可能性が潰えてしまった。正直自分が不甲斐ないというか、チームに申し訳ないという気持ちだった。今日の試合で優勝はなかったが、いろいろな人たちに恩返しするために絶対に勝利がほしかった」。インカレ出場権をかけたこの試合への思いは強かった。

 期待され続けた4年間だった。2年生だった2010年には広州アジア大会に出場したU-21日本代表にも選出。今夏ロンドン五輪で活躍した関塚ジャパンの発足試合となった大会で5試合の出場。金メダル獲得に大きく貢献した。「食事に困りました。ジャンクなものが多かった」と当時を懐かしく振り返る。だが期待が大きかっただけに、苦しんだ4年間でもあった。「正直なかなかうまくいかないことの方が多かった。苦しんだ4年間、試行錯誤の4年間だった。1年生の時は試合に出してもらいましたが、途中で出られなくなったりもした。いろいろ考える時間もあったし、嫌になった時もありました」。ただ、「でも先輩や同年代の仲間とサッカーやっていて、いろいろ学ぶのもがあった。人間的に成長できた」とプラスに捕えている部分も多い。

 卒業後はまだ正式決定は出ていないがプロの世界に進むつもり。だがその前にやらなければならないことを富山は自覚する。「インカレまで少し時間がありますが、個人としても、チームとしてもやらなければならないことがたくさんある。チーム全体で共通理解を持つこと。守備の部分でも攻撃の部分でもこうした方がいいという意思統一が出来れば、もっと得点出来たり、失点も減ると思います」。この日もは3得点を奪ったとはいえ、少し迫力を欠いた早大攻撃陣。富山の“復活”が集大成を飾る上では必要不可欠だ。

(取材・文 児玉幸洋)

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