beacon

[練習試合]早大勢が後半4発!関東大学選抜Bが千葉に逆転勝ち!

このエントリーをはてなブックマークに追加

[2.18 練習試合 千葉2-4関東大学選抜B ユナイテッドパーク]

 地域選抜7チームと全日本大学選抜の計8チームが優勝を争う第27回デンソーカップチャレンジサッカー島原大会(3月)に出場する関東大学選抜Bが18日、ジェフユナイテッド千葉と練習試合を行い、MF近藤洋史(早稲田大2年=名古屋U18)の2得点など後半の4得点によって4-2で逆転勝ちした。

「打倒・全日本」を誓う関東選抜Bが、“仮想・全日本”としてスケジュールに組み入れた千葉戦を勝利した。Jクラブが争奪戦を繰り広げているMF長澤和輝(専修大3年=八千代高)やFW赤崎秀平(筑波大3年=佐賀東高)ら逸材揃う全日本大学選抜と、関東選抜Bはデンソーカップチャレンジ初戦で対戦することが決まっている。その中で、全国大会でのターゲットを上回るスピードを持つJリーガーたちとの「強化試合」を勝ち切ったことは、チームにとって大きな自信となった。指揮を執った源平貴久監督(専修大)も「『打倒、全日本だ』と集まった初日に言ってあります。全日本と初戦でやるので、全日本対策で勝てるメンバーということをずっと意識してきた。本当は合宿前ということもあって、年間の予定はここは組んでいなかったんですよ。でも、無理を言って力のあるチームとやりたかった。雨の中でも良くできたと思うし、きょうの試合は大きいと思いますね」と納得の表情を浮かべていた。

 この日、チームは4-3-3と4-4-2システムをテスト。4-3-3で臨んだ1本目はGKが福島春樹(専修大1年=静岡学園高)で、右から萩間大樹(専修大1年=川崎F U-18)、吉田吏玖(国士舘大3年=遠野高)、本名正太朗(専修大3年=川崎F U-18)、山崎貴雅(専修大3年=岐阜工高)の4バック。中盤の底の位置に水野輝(明治大3年=市立船橋高)が入り、その前方に星野有亮(専修大2年=静岡学園高)と玉城峻吾(筑波大3年=三菱養和SCユース)が並んだ。そして3トップには稲葉圭吾(専修大3年=帝京三高)を頂点に右に黒須大輔(東洋大3年=習志野高)、左に前澤甲気(専修大2年=清水商高)が配置された。

 立ち上がりこそ、黒須のスピードを活かして右サイドからチャンスをつくった関東選抜Bだが、その後は「ボールにマークに行くディフェンスと、受け渡しのところが曖昧だった」(源平監督)ところを突かれて、千葉にいいようにボールを動かされた。またボールを奪ってもすかさずパスコースを切られ、距離を詰められた関東選抜Bは後ろ向きなパスの数が増えていってしまう。主導権を握られたまま迎えた10分、グラウンダーの右クロスのこぼれ球をFWケンペスに左足で押し込まれてあっさりと先制されてしまった。

 その後も千葉は大学生を敵陣に押し込んで試合を進めていく。なかなかハーフウェーラインを越えることのできない関東選抜Bだったが、それでも徐々に相手のスピードに慣れると、ポゼッションする時間を伸ばしていった。そして20分、星野のスルーパスから右サイドでスピード勝負を制した黒須が中央へ折り返し、星野が決定的な左足シュート。その後も玉城や星野が上手くDF間でボールを受け、DFを剥がしながら前進する関東選抜Bは32分、星野の縦パスを胸トラップした稲葉が右足シュートを放ち、35分には左サイドから仕掛けた山崎がDFをかわしてから右足シュートへ持ち込んだ。41分にGK福島が抜けだした相手FWとの1対1をストップして追加点を阻むと、42分には山崎のループパスをPAで受けた前澤がゴールへ押し込もうとする。ゴールラインすれすれでDFにかき出されてしまったが、1点差で後半のメンバーにバトンをつないだ。

 前半終了間際から左SBに入った三竿雄斗(早稲田大3年=東京Vユース)と本名、萩間を除く8人を入れ替えた後半、4-4-2システムへチェンジした関東選抜BはGK峯達也(慶應義塾大2年=桐光学園高)、4バックは右から萩間、菊地俊介(日本体育大3年=伊奈学園総合高)、本名、三竿の4バック。稲垣祥(日本体育大3年=帝京高)と田辺圭佑(中央大3年=成立学園高)のダブルボランチで右MF岡庭和輝(順天堂大3年=千葉U-18)、左MFが近藤、2トップには片山瑛一(早稲田大3年=川越高)と榎本大希(早稲田大3年=横浜FMユース)がコンビを組んだ。榎本は「前半、外から見ていて、球際のところとか『緩いな』と思っていたので、立ち上がりからそういうところで相手に自由にやらせないというか、自分たちのペースに持って行こうと個人的に思っていた。スタートの時もそういうことを言って、同じような思いを持った選手がいっぱいいたので、共有して最初から入ることができました」と振り返っていたが、前半以上に球際の厳しさを出していた関東選抜Bは好守から得点機をつくり出す。

 まずは7分、三竿の攻撃参加から左中間でルーズボールを拾った近藤が右足一閃。「自分がトラップした時点でもう前が空いていた。試合に入る前に自分は積極的に行こうと決めていたので、迷わずシュート撃ったらディフェンスには当たったんですけど。ラッキーな形で入りました」という一撃で同点に追いついた関東選抜Bはさらに19分、右サイドでボールを持った田辺が得意の左足で逆サイドからPAへ飛び込んできた片山へクロスボール。片山がDFと競ったこぼれ球を榎本が左足でゴールへ押し込んだ。

 前線からのハイプレスに加え、中盤では稲垣が奮闘。またプレッシャーをかわしてボールをつなぐ関東選抜Bは田辺の精度の高いミドルパスや「思い切って行こうと思っていた」という三竿のオーバーラップをアクセントに千葉ゴールへ迫っていく。後半28分に連係の乱れからディフェンスラインでケンペスにボールを奪われ、痛恨の失点。菊地が負傷退場して吉田が緊急出場するアクシデントもあった。それでも36分、榎本のシュートのこぼれ球を左サイドから詰めた片山が押し込んで再び勝ち越すと、38分には岡庭からのパスを右中間で受けた近藤がDFの股間を射抜く右足シュートを決めて突き放した。

 大学王者の早大勢が全4得点を奪う活躍を見せて逆転勝ち。「後半は力強さがあった」と語った指揮官は「この間の選考をやった時から、思ったよりもみんなやるな、という印象だった。ここから18人選ばないといけない作業が大変になった」と嬉しい誤算に表情を緩ませる。GK川口大起(順天堂大3年=市立船橋高)は負傷のために不在だったが、これから最終18名へのメンバー争いの中でよりチーム力を高めていく。そして全日本撃破へ。昨季、筑波大の10番を背負った玉城は「全日本に勝つということでみんなやっている。まず合宿とかあるので、みんなでコミュニケーション取ってやっていけたらいいかなと思います。もっと合宿も含めて、戦術の練習とかもっとやっていけば、もっと良くなっていく」。J撃破を果たした自信も胸に、大会へ向けて準備を進める。

[写真]後半38分、関東大学選抜Bの近藤が右足でこの日2点目のゴール

(取材・文 吉田太郎)

TOP