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[MOM259]大阪産業大DF満生充(4年)_“気合の坊主頭”精神的支柱が躍動

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[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.12 関西学生リーグ1部後期第4節 大阪産業大3-1びわこ成蹊スポーツ大 太陽が丘]

 現在5位と好調の大阪産業大。その中心にいるのがDF満生充(4年=大阪桐蔭高、前・水戸ホーリーホック)だ。右サイドで上下動を繰り返す攻撃的SBは、この日の試合でも「最近なかなか上がれていなかったので、今日はもっと上に上がってチャンスを作ろうという意識を持って臨んだ」と振り返ったように、積極的な駆け上がりから勝利に貢献した。

 現在はSBでプレーするが、元々のポジションはFW。大阪桐蔭高を卒業後、2年間在籍した水戸ホーリーホックでもFWだった。「セットプレーで得点も取れているし、二刀流というか。1対1にも自信があるし、そういうのが自分の武器」と話すように、FW時代の経験を生かしながらSBを務めている。全コーチも「対人では絶対負けない。積極的にオーバーラップする事で、相手を深い位置にずらすことが出来る」と評価。チームの中で大きな役割を果たしている。

 また、全コーチが「間違いなくチームの中心であり、精神的支柱」と話すように、常に最終ラインから大きな声でチームを鼓舞。自身も「常にチームを引っ張る気持ちでいる」と力強く話す。そんな自他共に認める熱さを持ち合わせる満生は、この日の1つ上の順位である4位・びわこ大との対戦にあたり「今日の試合は負けたら勝ち点差が8開くけど、勝てば2。絶対負けられなかった」という強い思いの下、「高校時代は気合を入れるために大切な試合の前には坊主にしていた」という気合の坊主頭で出場。「今日はウォーミングアップから俺がチームを引っ張ってやると気合を入れ過ぎて硬くなっていたけど、雰囲気がすごく良くてみんなが頼もしかった。自分の坊主がキッカケになったかな」と試合後は笑顔を見せた。

 ピッチ内外で大きな存在感を示す満生だが、「自分自身で全然うまいと思ってないし、良い選手だとも思ってない。まだまだ課題だらけ。逆に下手くそなことが自分の武器。まだまだ上手くなりたい、もっともっと上手くなりたい」と発言は至って謙虚だ。「プレー云々というより気持ち。だから常に気持ちを強く持つことは意識しているし、おごったりはしない。プレーに自信があるというよりも気持ちの部分に自信がある」とメンタル面を強調する。

 大学生活最後の1年を迎え、今後見据えるのはチームとしてはインカレだが、個人としてはもう1度プロに戻ること。ケガに苦しみ、2年間プレーが出来なかった時期を振り返り、「その時も家族を中心に、水戸の時のサポーターであったり、ここの大学に来て出会った方やチームメイトには本当に支えてもらった」と感謝の気持ちを口にする。だからこそ、「そんな中でもう1回2年間もプレーしていなかった選手がもう1度プロでやっている姿を見せられたら恩返しになると思うし、喜んでくれる人もいっぱいいるんじゃないかなと思う」とプロへの思いは強い。その思いを叶えるためにも、まずはチームの勝利の為に。チームとしても、個人としても掲げる目標へ。熱い気持ちの下、残り試合を全力で戦い抜く。

(取材・文 北野裕子)
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