beacon

[MOM285]大阪体育大FW伊佐耕平(4年)_2度の靱帯断裂から復活…現在は“就活中”

このエントリーをはてなブックマークに追加

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.20 大学選手権準々決勝 大阪体育大4-0東海学園大 BMWス]

 初戦の2回戦・新潟経営大戦では相方FW澤上竜二(2年=飛龍高)に主役の座は譲ったが、この日は“もう一人のエース”、FW伊佐耕平(4年=神戸科学技術高)が主役の座を射止めた。

「竜二がマークされるのは分かっていた。今日は伊佐にはチャンスだと話していた」。坂本康博監督の予想通り、後半11分、伊佐は左サイドでボールを受けるとゴール前まで持ち上がり右足でゴールにぶち込む。同42分には今度は左足でダメ押し弾。「もともと左利きでしたが、怪我で右利きになったりを繰り返しているので、こだわりはないです」。“怪我の功名”で進化を遂げたストライカーが存在感を示した。

 伊佐の大学生活は悪夢から始まった。神戸科学技術高の3年生だった伊佐は09年度の全国高校サッカー選手権大会に背番号10を背負いエースとして出場。しかし初戦の青森山田高戦の前半20分過ぎに左ひざを痛めると、その後もプレーを続けたが、後半に入って3分で途中交代。「帰ってから病院行ったら前十字靱帯が切れていて、半月板も痛めていました」。3月に手術をして入学。当然サッカーの試合どころではなく、黙々とリハビリをこなす日々が続いた。

 だが神様はさらなる試練を与えた。怪我もようやく癒えた翌年3月、シーズン目前で行った紅白戦で今度は右ひざの靱帯を断裂。同級生たちがレギュラーを獲得しだしたこともあり、これにはさすがに落ち込んだ。

 だが監督の信頼は揺るがなかった。3年生の春に復帰した伊佐を即スタメンで起用。結局シーズンを通してチーム2位となる7得点を挙げるなど、見事に復活。翌年は大体大に24年ぶりとなる関西王者の称号をもたらした。

 大学最後の大会に臨んでいる伊佐だが、実はまだ進路が決まっていない。目標はもちろんプロとしてサッカーを続けること。坂本監督も「澤上よりも点を取る感覚は上。生かす選手がいると伊佐の方が点を取る」と認める逸材。まずはこの最後の大会を戦い切ることが目標だが、大会後の吉報を心待ちにしている。

(取材・文 児玉幸洋)

▼関連リンク

第62回全日本大学選手権特集ページ

TOP